全国のドラマファンのみなさま、
たいへんおまたせしました。
1年半ぶりに3人のおしゃべりが復活です!
マスク、距離、換気など万全の対応で、
あややと森下さんと荒井先生が
今季の連ドラについてたっぷりしゃべります。
おっと、その前に、森下佳子さん脚本の
大ヒットドラマ『天国と地獄』についても
ぜひみんなで語りましょう。
ドラマの裏話なども飛び出すかも?
そして、みなさん、春なのにお別れです。
長く続いた連ドラチェックも最終回。
もちろん、明るく笑いながら進めますよー。
サユミちゃんのイラストもおたのしみください。
進行は、あまりドラマと縁がない永田です。
最後まで、どうぞよろしくお願いします!

>ドラマ好きの3人を紹介します。

ほぼ日刊イトイ新聞随一のテレビッ子。
どんなに忙しくても録画したドラマは必ずチェック。
毎週発表される視聴率なども無意味に把握。
幼少期から蓄積されたテレビの知識は無尽蔵。

漫画家・イラストレーター。高品質な似顔絵には定評が。
ドラマ、スポーツ、バラエティー番組などが好き。
キャラクターデザインを手がけたゲームの最新作は
『ダービースタリオン』(Nintendo Switch)
『秋田・男鹿ミステリー案内 凍える銀鈴花』
(Nintendo Switch・PS4・Steam)。

脚本家。『JIN-仁-』『白夜行』『義母と娘のブルース』
大河ドラマ『おんな城主 直虎』など、
数々の名作を生みだす。
NHK朝ドラ『ごちそうさん』で向田邦子賞を受賞。
そして『天国と地獄』は
今年ナンバーワンの視聴率を獲得。

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第6回 たのしい雑談もこれでおしまい。 さあ、最後のおすすめの1本は?

あやや
『桜の塔』について話しましょうか。
主演は、玉置浩二さん‥‥じゃない。
森下
玉置浩二さんは『ワインレッドの心』。
荒井
『恋の予感』。
──
『田園』。
あやや
すいません! 主演は玉木宏さんです!
でもね、玉木宏さんを
一回で言える人、います?
──
開き直り、早すぎ。
あやや
だってね、玉置(たまおき)宏さん
というお名前のかたもいらっしゃるんですよ。
往年の名アナウンサーですよ!
森下
玉木宏さん、玉置浩二さん、玉置宏さん。

──
玉木宏さんと玉置浩二さんは、
名字の読み方がどっちも「たまき」で、
玉木宏さんと玉置宏さんは、
どっちも名前が「宏」。
玉置浩二さんと玉置宏さんは、
どっちも名字の表記が「玉置」なのに
読みは「たまき」と「たまおき」。
あやや
そういうややこしさのなかで、
玉木宏さんを1回で言える人、います?
荒井
いない気がしてきました。
──
ドラマの話をしましょう。
あやや
はい。『桜の塔』です。
これ、おもしろそうです。
脚本が『クローズZERO』の武藤将吾さん。
あれは不良界でテッペンとっていく話でしたが、
これは桜田門で警視総監を目指す話なんですね。
で、みなさん‥‥言ってもいいですか。
荒井
言うんでしょ。
森下
言うんでしょ。

──
言うんでしょ。
あやや
ずばり、警察の内部闘争の話は、
ドラマにするとおもしろい!
森下
そうかも、そうかも。
荒井
たとえば『相棒』シリーズ。
あやや
『相棒』! 荒井先生、さすがです!
荒井
たしかに『相棒』シリーズで
警察内部のエグい話になっていくと、
物語がどんどんうねって
おもしろくなるんですよね。
あやや
そうなんです、そうなんです。
で、しかもこれ、テレビ朝日じゃないですか。
警察内部の組織のドラマが
おもしろくないわけがないな、と。
これ、『相棒』に続く、
長期シリーズになる可能性もあるのでは。
──
でもさ、この連ドラチェックで、
「これは『相棒』に続くシリーズになるかも」
って、けっこう何回も言われてるけど、
けっきょくそうなったのって、ないよね?
荒井
いやぁ、『相棒』はすごいんですよ。
森下
そう思います。『相棒』はすごい。
あやや
別格ですよね、やっぱり。
って、『相棒』の話になっちゃいますけど。
──
すみません、『桜の塔』の話です。
あやや
で、玉木宏さんですけど、WOWOWでやってた
『盗まれた顔〜ミアタリ捜査班〜』
って、見ました?
荒井
見ました。
すごい数の指名手配犯の顔を覚えて
街でずっと張ってる、
みたいなやつですね。
あやや
それです、それです。
あの、枯れた感じの玉木宏さんって、
かなりよくなかったですか?
荒井
よかったですね。絶妙な枯れ方。
あやや
ベテラン捜査員の役で、
けっこう渋い役というか、
だいぶ老けさせた感じだったんですけど、
イケメンを押し殺そうとしても、
玉木宏さんのイケメンが
あふれ出ちゃってるんですよ。
森下
(笑)
あやや
イケメン過ぎて隠せないんです。
森下
あふれ出るイケメン。
荒井
隠しきれないイケメン。
──
ポケットいっぱいのイケメン。
あやや
そんな玉木宏さんが、
今回、野心あふれるエリート警察官になって、
警視総監を目指すわけですから、
これはもう、海ですよ、イケメンの海。
イケメン海。
──
なにを言ってるんだ。
荒井
あ、岡田健史くんが出ますね。
最近、いいですよね。
あやや
あ、この人はいいですね。
荒井
この間もよかった。
『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』。
森下
光くんね。
あやや
光くん、よかったですねー。
浜辺美波ちゃんの相手役で、
すんごいよかった!
荒井
あれ? こんなにうまかったっけ?
って驚きました。
あやや
そうそうそう、びっくりしました。
しかも、どんどん成長してる感じ。
荒井
すごいよかったです。
森下
もともと野球やってた人なんですよね。
──
え、そうなんですか。
それはすばらしい!
あやや
野球経験者に甘すぎ(笑)。
森下
野球をやるか、芸能人になるかで、
芸能事務所が2年ぐらい
口説いてたって聞きましたよ。
あやや
そうそうそう。
──
野球も演技もうまいなんて!
あやや
『中学聖日記』がデビューで、
それが、ええと、2018年10月でしょ。
って考えると、そこからまだ2年半。
すっごくうまくなってますよね。
荒井
ええ。すごく自然な演技で
引き込まれました。
──
『桜の塔』、あらためて、
ドラマとしてはどうでしょうか。
あやや
どうですかお二人は。
森下
すごくおもしろそうです。
ただ、ちょっと重そう、というか、
見るのに体力つかいそうですね。
気軽に見るタイプではなく、
見ると決めて、しっかり見るドラマ。
あやや
だって、警視総監の座をめぐる
パワーゲームですからね。
荒井
まあ、一筋縄じゃいかないですよね。
森下
いろんな陰謀とか謀略を、
仕掛けたり、避けたり‥‥。
だから、やっぱり、おもしろいですよ。
あやや
おもしろそうですよね。
ただ、ちょっと疲れそう、
というのもなんとなくわかります。
──
映画っぽいんですかね。
あやや
あー、そうかもしれない。
だから、すごく見応えはありそう。
荒井
ヒロインは、
広末涼子さんですね、これは。
あやや
広末さんの衰えなさもすごいですね。
年齢的に、脇に回ってもおかしくないですし、
実際、おばさんっぽい役もやられますけど、
こうやってヒロインの座にもびしっと。
きれいですよねー。
荒井
いいポジションにいらっしゃいますよね。
あやや
いいですよね。
でも、いい位置にいるからこそ、
もっと変な役もやってほしいですけどね。
こう、喜怒哀楽が激しいような。
広末さんって、わりといつも
落ち着いてるじゃないですか。
森下
安定してるキャラが多いってこと?
あやや
そう、きれいで安定してるんですけど、
ちょっとバリエーションというか、
振れ幅を見てみたいなあ。
あの、先日、日本アカデミーで
長澤まさみさんが、
主演女優賞受賞しましたけど、
『コンフィデンスマンJP』でダー子やって、
『MOTHER マザー』で毒親やって、
やっぱりあの振れ幅が
魅力的だったじゃないですか。
荒井
長澤まさみさんはいますごいですね。
あやや
あれは、なに? 才能? チャンス?
どういうきっかけでああなるんですか?
森下さん、どう思います?
森下
うーーん‥‥
やったろう精神じゃない?
荒井
「やったろう精神」!
──
「やったろう精神」!
あやや
あーー、たしかに!
長澤まさみさんは、
やったろう精神があるように感じられます!
森下
長澤さんのお仕事ぶりを拝見してるとさ、
とにかく
「やったことのないものをやってみる」とか
「できるかどうかわからないものをやってみる」とか
そういう心意気を感じるんだよね。
自分の可能性に自分で喧嘩売るような。
「やってみたろうやないか!」みたいな。
何がきっかけかでそうなったかはわからないけど、
どこかでそういう「生きザマ」を
選んだんじゃないかなぁ。あやや的に言えば。
あやや
そっかーーー。
じゃあ、私も、やったろう精神で!
やりますよ! やったろう!

──
なにを。
あやや
なにを? なにを? なんだろう?
ええと、食べたり、飲んだり‥‥。
──
そういうことじゃないだろ。

あやや
『レンアイ漫画家』、行きましょう。
まず、私、びっくりしたんですけど、
この鈴木亮平さん、イケメン過ぎません?
森下
あれ? なんか、かっこよくなってるー(笑)?
荒井
さすが、体重を自由自在に操る男。
あやや
そうそう。『天皇の料理番』のときは、
脚本の森下さんが止めるほど
痩せちゃったという。
森下
そうそう、病気で亡くなる役だったから、
ものすごく痩せたんですよ。
かと思うと、『西郷どん』のときは、
めっちゃデカくなってた。
荒井
自在です。

あやや
そんな、役づくりに徹する鈴木亮平さんが、
胸キュン系ラブストーリーの主役ということで
イケメンに役づくりしてきました!
荒井
昨日、テレビで見たんですけど、
ほんとに締まってましたよ。
顔がシュッとしてて、イケメン風でした。
今回はこっち系なんだな、と。
森下
ラブコメなので優しげに見える
細マッチョ系に仕上げてきたのかー。
私はゴツくても構わないんだけどなー(笑)。
──
で、お相手役が吉岡里帆さん。
あやや
吉岡里帆さんは、私、正直、
苦手だなと思ってた時期もありましたが、
最近、場数を踏んできてまして、
どんどん洗練されて、よくなってますよね。
荒井
ちょっとあざとさが感じられるのか、
女性ウケはあんまりしない説がありますね。
そのぶん、男人気はすごいッスね。
あやや
そうそうそう。
あと、出はじめのころは焦ってるというか、
ちょっとガツガツして見えたんですよね。
でも、いまはもう売れてますし、
いろんな意味で安定しているのでは。
森下
CMとか、たくさん出てらっしゃいますし。
荒井
ただ、役にはあまり恵まれてないのかな、
という気がしますね。
代表作って、たぶん「どん兵衛」でしょ。
どんぎつねさん。いや、いい意味でですよ。
あの魅力的なキャラは最強。
あやや
たしかに(笑)。
荒井
あれ以上ハマる役ないんじゃないですか。
あれをドラマでやったら、大当たりしそう。
あやや
つまりね、男性との距離が
近く感じられる人なんですよ。
その距離感でいちばん輝くというか。
しかも、無邪気な感じだから、
男の人はよろこぶし、好感度上がるし、
女の人は敵だと認識するんですよ。
荒井
わかります。
森下
でも、今は「みな実さま」
大ウケの時代じゃない?
「あざとい」は、もはや褒めことば。
なかば「賢い」という意味まで含まれてる。
あやや
うわ、たしかに!
吉岡里帆さんもそのトップにいますよね。
荒井
そういう意味でも、そろそろドラマで
しっかり当ててほしいですね。
この『レンアイ漫画家』も勝負所だと思います。
あやや
同感です。
「生きザマ好き」の視聴者としても、
吉岡里帆さんにはがんばってほしいんですよ。
アンチの声がすぐ届いてしまうこのSNSの時代に、
このあざとさを背負って生きるって、
なかなかのツワモノだと思いますよ。
──
あやちゃんらしい見方だ(笑)。
あやや
吉岡里帆さんが、
ここからどうなっていくのか、
ほんとうに期待してるんです。
荒井
このドラマはどうなるかわからないですけど、
コメディとかに思い切って
振ったほうが合いそうな気もするんですよね。
森下
悪くて悪くてかわいい女子とか?
荒井
ああ、そうですね。
『カルテット』の最終回のセリフ
「人生、チョロかった〜!」のあの感じとか、
すごくよかったですから。
森下
あーー、あれ、すごいよかった!
あやや
たしかに、たしかに、
あの感じでハマる役があったら、
すごくいいかもしれないですね。
森下
でもさー、そろそろ、
あざとい女子が主役のドラマとか見たくない?
あざとい女子って、
じつはけっこう努力家じゃない。
かわいく思われるために、
金も時間も頭もめっちゃ使ってるし。
その奮闘って舞台裏見たらコメディだし、
何かエレジー感もあるじゃない。
何でそんなにソコがんばらねばならぬの? って。
「私は私で。どう思われようがこれでいい!」
って、あざとさゼロで生きてる人は
そう多くはないだろうから、
けっこう、共感呼ぶような気がするんだよなぁ。
あやや
プロデューサーのみなさーーーん!
ここにプロットが生まれてますよー!

森下
(笑)
──
ちなみに脚本は
『ごくせん』シリーズなどの
松田裕子さんです。
森下
はい。安定感があります。
あやや
けっこう昔から
書いてらっしゃる方ですよね。
だから、お話としては安心できます。
これ、私、ふつうに見ると思う。
荒井
見ます。漫画家という職業柄(笑)。
あやや
そうでした(笑)。
そして、視聴者的にはやっぱり、
憑依型の鈴木亮平さんが
胸キュン系のラブストーリーに
どのくらい入り込んでくるのか
というところがたのしみです。
なんと言っても、
変態仮面までばっちりこなした
鈴木亮平さんですからね。
森下
ああ、そうだよね、
変態仮面だったんだよね(笑)!
あやや
あのときの身体の作り方とか動きとか、
もう、完璧だったじゃないですか。
森下
うん、うん。
あやや
だから、今回もちゃんと役に合わせて、
きっと胸キュン路線の主人公を‥‥
うーん‥‥ダメだ、どうしても、
変態仮面の鈴木亮平さんが頭から離れない。
森下
違うから(笑)。
胸キュンラブストーリーだから。
荒井
せっかくご本人がこんなに
イケメン風に役づくりしているのに(笑)。
あやや
罪深いですね、変態仮面‥‥。
鈴木亮平さん、年末のガキの使いの
「笑ってはいけないスペシャル」で
原田龍二さんと一緒に裸芸で、
キレのいい動きとかしてくれたらいいのに‥‥。
──
なんか変わってるだろ、願望が。
あやや
それが、私の夢です!
荒井
ははははは。

あやや
最後に、松坂桃李さんのドラマを2本、
しゃべっておきたいんですが、
ドラマの話の前に、これを見てください。
映画『孤狼の血』の続編、
『孤狼の血 LEVEL2』の公式ポスターです。
──
うわぁ!
荒井
おーーー!
森下
かっこいい、これ!
あやや
私これ見て、ほんっとびっくりして。
松坂桃李くん、
このポスターだけで、もうすごくないですか。
荒井
へぇーー、すごいですね。
あやや
期待させるでしょう、この顔?
顔だけでここまで期待させるって、
ほんとすごいなと思って。
森下
絶対、見に行こー。
──
絶対、見に行く。
あやや
「絶対見に行く!」ってなりますよね。
もうはっきり言って、
ノリにノッてます、松坂桃李くん。
いまの松坂桃李は
全作品見たほうがいいと思います。
森下
うん、うん。
あやや
で、ドラマです。今クールはなんと
松坂桃李さんのドラマが2本あります。
──
『あのときキスしておけば』と
『今ここにある危機とぼくの好感度について』。
前者から行きましょう。
あやや
『あのときキスしておけば』。
脚本は大石静さんです。
森下
これ、井浦新さんの体の中に、
麻生久美子さんが入っちゃうやつですね。
あやや
入れ替わりものですよ。
ヒロインが麻生久美子さんなんだけど、
桃李くんが麻生久美子さんに惚れたら、
井浦新さんの体になっちゃうという、
入れ替わりラブコメディ。
荒井
『天国と地獄』のあとに、
また男女入れ替わりものが‥‥。
森下
ほんとうに、たまたまですけど、
こういうことってあるんですよね。
もしやみんな入れ替わりたい
欲望にかられてるのか?
あやや
なんか、時代的な要求?
最近、ラブストーリーも多いですし、
入れ替わりものも多い気がします。
やっぱり、森下さんが言ったように、
「初心にかえって、おもしろいドラマを!」
って、みんなが思ってるんですかね。
森下
大石先生が私みたいな
「入れ替わったらだいたいおもしろいよねー」
みたいな雑な発想で企画を考えてると
言ってしまうのはどうかだけど‥‥。
でも、「楽しませよう!」という
思いは強い方なんじゃないかなぁ。
いつもわりとエンタメ感強めに仕上げられるし。
あやや
それはドラマファンとしては
とてもうれしいことだと思います!
森下
しかし、桃李くんと井浦さんかぁ‥‥。
画面的にはほとんど『おっさんずラブ』だな。
ハルたんは牧を受け入れたけど、
桃李くんは麻生さんインの井浦さんを
受け入れるんだろうか、
受け入れられるんだろうか。
序盤の楽しみ方はそのあたりかな?
荒井
キャストで気になったのは、窪塚愛流さん。
窪塚洋介さんの息子さんなんですね。
──
あ、そうなんですか。へぇーー。
荒井
もうそんな時代になったんですねぇ。
まあ、このクールに
男女入れ替わりものをやるのは、
結果的にチャレンジャーだなあ
と思っちゃいますけど(笑)、
見る側としては、
とにかくおもしろければいいです!
あやや
ともかく、「全作品見ねば!」の
松坂桃李くんですから、たのしみです!
じゃあ、平行してもう1本も語りましょう。
──
はい、NHK土曜9時、
『今ここにある危機とぼくの好感度について』。

あやや
こちらは、
『カーネーション』の渡辺あやさん脚本。
これもね、すっごくおもしろいと思います。
荒井
こっちもコメディなんですね。
森下
コメディですね。
けっこう、ハイブロウな感じというか、
洗練されたものになってる気がします。
たぶん、渡辺あやさんならではのお話。
だって、主人公が‥‥。
あやや
大学の広報マン! へーー。
荒井
うーーん、わからない(笑)。
どうなるんでしょう。
森下
誰も手をつけてないジャンルですよね。
でも、これは見逃せない気がします。
新しい予感がして、すごくたのしみ。
あやや
いまの時代の広報って
めっちゃむずかしくないですか?!
すぐSNSとかで批判されたりする時代で、
なにを言ってもツッコミを受けるし、
はっきり言って北島康介さん状態、
「なんも言えねー」ですよ。
──
北島康介さんは
そういう意味で言ったんじゃないぞ。
あやや
っていうツッコミが入る時代ですよ!
──
‥‥なんも言えねー。
あやや
そういう意味では、
大学広報って身近なテーマとは
いえないんですけど、案外、私たちも、
共感できるドラマになるような気がします。
森下
ちょっと固い話で申し訳ないんだけど、
何年か前にね、
母校の文系の教授さんと話す機会があってさ。
その方は、
「このままではお金も人も落ちてこない。
最終的には学問そのものが、
どんどん痩せていく」
ってすごく危機感を持ってらっしゃって。
「どうやったら大学とか研究っていうものは、
世の中にアピールできるんでしょう」
って聞かれたよ。
ロクな答え、できなかったんだけどね‥‥。
もちろんおもしろいことが
いちばん大事なんだけど、このドラマには
大学の「いまここにある危機」を
ガチで広めて欲しいなぁ。
みんなで認識しとかないと、
この先に「さらなる危機」に、最悪の場合、
大学崩壊って「国難」につながる気がする。
──
なるほど、なるほど。
荒井先生は、どうですか。
荒井
けっこうめずらしい題材なので
新鮮な感じで見られるんじゃないかと思いますね。
あと、ハライチの岩井勇気さんが
出演されるんですね。
役者さんであまりいないタイプのルックスなので
独特の存在感が出るんじゃないかと思います。
あやや
ハライチの澤部さんは森下さん脚本の
『だから私は推しました』にも出てたし、
けっこうドラマに出てる印象がありますけど、
岩井さんはめずらしいですね。
でも、ハマりそうな気がします!
荒井
そう思います。
あやや
‥‥さて、いちおう、気になるドラマは、
ざっとしゃべったような気がします。
もちろん今季のドラマはもっとあるんですが、
ぜんぶ触れられなくてすみません。
──
それでは、最後に
この春の「おすすめドラマ」を決めましょう。
まずは、恒例ですが、ひとり3本、
「個人的に期待しているドラマ」を
挙げてください。まずは、あやちゃん。
あやや
うわっ、どうしよう。
まずは‥‥『コントが始まる』。
あと、『イチケイのカラス』。

荒井
おー、なるほど。
あやや
あと1本‥‥うわ、うわ‥‥
ああー‥‥ちょっと待って。
森下
(笑)
荒井
(笑)
あやや
『リコカツ』です!

──
それでは、森下さん、お願いします。
森下
はい、行きます。
『大豆田とわ子』、
『リコカツ』、
『コントが始まる』。

──
最後、荒井先生、お願いします。
荒井
『イチケイのカラス』と
『レンアイ漫画家』。
もう1本が悩むんですねー。
『大豆田とわ子』かなぁ。
あれ? 3本ともフジになっちゃったか!
『着飾る恋には理由があって』にするかな~。
うーん‥‥‥‥
『カルテット』っぽいのを期待して、
やっぱり『大豆田』で!

──
おー、重なりつつも、ばらけました。
ええとね、2票入ったのが、
『コントが始まる』
『リコカツ』
『イチケイのカラス』
『大豆田とわ子と三人の元夫』
の4本です。
あやや
おー、すごい、4本に2票ずつ!
森下
おもしろいね(笑)。
荒井
この4本を同率でおすすめ、
としてもいい気がしますが。
──
とはいえ、恒例ですから、
この4本の中からおすすめの1本を選びます。
ええと、どうします?
あやや
うーん、『イチケイ』はたのしみだけど、
手堅いおもしろさ、って感じかな‥‥。
私は入れてないけど『大豆田とわ子』は、
けっこういいと思います。
森下
うーん。
私はおもしろいだろうなと思ってるんですが、
『大豆田とわ子』、今日の時点で、
あまり情報が出てないんですよね。
そういう戦略かもしれないけど、
そこがちょっと心配といえば、心配。
あやや
『リコカツ』は意外性があっていいですね。
森下
そうですね。
あやや
『コントが始まる』は、どうですか?
森下
青春ドラマとしては
絶対おもしろいと思うんですけど、
未知数なのは、やっぱり、
ドラマのなかの「コント」かなぁ。
コント書くのって、すごく難しいと思うんだよ。
荒井
そうなんですよねー。
大爆笑を巻き起こすべきところで、
そうなってなかったりすると、
難しいですからね。
森下
うーん、悩むねぇ‥‥。
あやや
『リコカツ』、気になるなぁ。
3組に1組の夫婦が離婚する、
と言われているこの時代に、
離婚をどう描くのか、というのは、
見てみたい気はします。
瑛太くんも、おもしろそうだし。
森下
うん、おもしろそう。
荒井
『大豆田とわ子』と『リコカツ』、
どっちも離婚が絡んでるんですね。
あやや
ああー、そうですねー。時代かなぁ。
荒井
その2本のどちらかでいい気がしますが。
あやや
『大豆田とわ子』か『リコカツ』か。
こうなったら、
『天国と地獄』でヒットを飛ばした
森下さんが決めてください!
──
あ、それはいいかも。
荒井
賛成です。
森下
えええ、どうしようかなー。
うーん‥‥‥‥
『リコカツ』にしておきましょうか!
あやや
おお!(拍手)
荒井
いいと思います!(拍手)
──
最後のおすすめは
『リコカツ』になりました!(拍手)

森下
おつかれさまでしたー!(拍手)
あやや
おつかされまでしたー!
そして、森下さん、最後に、
『天国と地獄』もお疲れさまでした!
森下
いやー、ほんと、疲れたよー(笑)。
──
本音だ。
あやや
大変でしたねー。
荒井
おつかれさまでした。
──
そして、森下佳子さん、
荒井清和さん、あやちゃん、
13年間、おつかれさまでしたー!
3人
おつかれさまでしたー!
──
今日はもうたっぷりしゃべったので、
最後のスピーチをやってもらっても
ぐだぐだになると思いますので、
後日、ひとことずつ、
終わりの挨拶をいただけますでしょうか。
森下
わかりました。
荒井
了解しました。
あやや
終わりましたねー。
ほとうにありがとうございました!
一同
ありがとうございましたー!

子どもの頃から、テレビが大好きで、
ありとあらゆるドラマを観つくし、
脳内で一人語りをくりかえしていました。
このコンテンツのおかげで、
好きなドラマや役者さんのこと、
そして脚本家さんはじめ制作者のみなさんのことまで、
森下佳子さん、荒井先生と
心おきなく語りつくすことができました。
もう大満足です。楽しかったなあ。
いやあドラマって、本当にいいものですね。
いままでおつきあいくださって、
どうもありがとうございました!

どこに所属するわけでもなく、
定期的やる仕事があるわけでもない。
そんな身の上としては、
「たった2つのレギュラーのうち1つが消える!」
という事態なわけですが……。

振り返ると13年。
小学校に入学した子も大学に入るほどの
年月が経っているわけで、
このコンテンツも大人になって
巣立つ時期ということですよね。寂しいけど。

ドラマオタすぎるあやや、優しくて鋭い荒井先生、
そして基本ドラマをあんまり見ない永田さん。
好みもドラマを選ぶ角度も気にするところも色々で、
私はどれほど勉強になったかしれません。
同時に、みんなこんなに色々なんだから、
私が作ってるものもどこかの誰かには
きっと愛してもらえるはず!
‥‥と、大いに励まされてもきました。

とても暖かく有意義な時間をありがとうございました。
そして、長い間、私たちのおしゃべりに
お付き合いくださいました皆様、
本当にありがとうございました。
皆様のドラマライフがこれから
もっと楽しいものでありますように!

たしか2009年でしたか、森下さんが日曜劇場のワクで
「医者が江戸時代にタイムスリップする話」を
書くと聞いて、
正直、あのワクでそういうSFは
ウケるのだろうかと思った記憶があります。

いざフタをあけてみるとそんな懸念は吹っ飛ぶほどの
社会現象的な大ヒットとなったわけですが、
その後も朝ドラや大河ドラマ等
次々とヒット作を世に出し
ヒットメーカーとして快進撃を続ける森下さんを、
勝手ながら横を伴走しているような感覚で応援しつつ、
創作を業とする者としては
知らないうちに力をいただいていたような気もします。

13年も経つといろいろなことがありますね。

山もあれば谷もあります。
仕事で苦戦しているときなどでも、
連ドラチェックの現場であれやこれや
言いたい放題で爆笑しているとストレス解消でき、
助けられていた部分もあります。

長く続いているものがリセットされるのは寂しいですが、
定期的なものから不定期の特番ふうに
しれっとリターンズで復活するのも
ありじゃないでしょうか、みたいな。

これからも、いいトシして連ドラを楽しむ
連ドラウォッチャーでいようと思います。

森下さん、あややさん、永田さん、
そして読んでいただいたみなさん、
本当にありがとうございました。
めちゃめちゃ楽しかったです!

連ドラチェックをお読みいただき、
ほんとうにありがとうございました!

( お し ま い )

2021-05-03-MON

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