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徳光 |
糸井さん、すごいんですね、
糸井さんのところ。
こんなにお若い方がたくさんいらっしゃって。
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糸井 |
いや、お若かないでしょう。
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徳光 |
そうとうお若いスタッフですよ。
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糸井 |
いや、たぶん
ぼくらがお若くないんですよ。
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徳光 |
まぁ、そうだね。
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一同 |
(笑)
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徳光 |
だけどさ、糸井さんは、
いい年の重ね方してますよ。
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糸井 |
何をおっしゃいますやら。
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徳光 |
本当に、人生おもしろく
すごしてますね。
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糸井 |
それは(笑)──あのですね、
それは今日の対談で、
「徳光さんにそう言いたいんですよ」
という、ひとつのテーマとして
ぼくらが持っていたものです。
のっけからその言葉が出てきて
びっくりしました。
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徳光 |
うーん、いや、
俺はあんまりそんなことないな。
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糸井 |
そうでもないですか?
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徳光 |
行きあたりばったりですからね。
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糸井 |
それはぼくもそうですよ。
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徳光 |
いや、糸井さんは常に
頭を使ってらっしゃるけど、
俺とか、みのもんたとか、
口先だけですから。
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一同 |
(笑)
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徳光 |
こういう、小屋のようなセットも、
会議室に建ててくださってね、
いやぁ、ありがとうございます。
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糸井 |
今日のセットはうちの社員が作ったものです。
セットの中には、おそらく
徳光さんとぼくの
共通の「おたのしみ」を並べた
つもりなんでしょうねぇ。
あ、でも、必ずしも共通じゃないですね。
ぼくはモノポリーするけど、
徳光さんは、しないですよね?
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徳光 |
え?
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糸井 |
モノポリーっていう
ゲームがあるんです。
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徳光 |
なんですか?
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糸井 |
モノポリーというのは、いわば、
賭博と交渉事を混ぜて、
「人を蹴落として金持ちになる」という
悪いゲームなんですけど。
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徳光 |
ははは。
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糸井 |
あるときぼくはこれに目覚めて、
ずいぶん夢中になってやりまして。
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徳光 |
へぇ。
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糸井 |
世界大会に2度行きました。
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徳光 |
世界大会があるんですか。
いつごろからやってらっしゃるんですか?
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糸井 |
はじめたのは、
20年ぐらい前だったかなぁ。
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徳光 |
へぇ。モノポリー‥‥。
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糸井 |
はい。
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徳光 |
我々みたいな世代でもできます?
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糸井 |
できます、できます。麻雀に似てますよ。
麻雀はパイの交換ができないけど、
モノポリーは話し合いで、できます。
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徳光 |
なるほど。おもしろそうですね。
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糸井 |
徳光さん、向いてるんじゃないかな。
だって、このゲームの鍵は
「話術」と「賭博」ですからね。
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徳光 |
ふっ、まぁ、そう、
そうですね(笑顔)。
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糸井 |
思えば、口先と(笑)。
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徳光 |
口先と、賭博。
詐欺師みたいな商売ですから。
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糸井 |
しかもモノポリーでおもしろいのは‥‥、
口がうますぎる人が
心にもないこと言っても、
あまりうまくはいかないんですよ。
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徳光 |
ああ、そう。
それは、世の中と一緒だね。
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糸井 |
はい。
まったく、社会と同じなんです。
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徳光 |
わかる、わかる。
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糸井 |
「こっちが損してもやりたい」
ぐらいのことを
上手に混ぜとかないと、だめです。
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徳光 |
そうだね、なるほどねぇ。
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糸井 |
このゲーム、お国柄も出るんですが、
あんがい日本人には
向いてるような気がします。
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徳光 |
そうかもしれない。
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糸井 |
いや‥‥なんだかいま、
逆にインタビューを
受けてる気がするんですけれども。
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徳光 |
いいじゃないですか。
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糸井 |
これまで「ほぼ日」では
聞き役にばかり回ってましたから、
ちょっとめずらしいな。
(観客に向かって)ね?
なにげなく聞かれてるよね?
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徳光 |
(観客に向かって)
腕、あるだろう?
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一同 |
(笑)
(つづきます) |