
・いま、花粉症の人たちが「花粉がつらい」と言っていて、
みんなも「そうだよね〜」と共感しているけど、
花粉症という概念そのものが、昔はなかったんだよね。
ぼくの付け焼き刃的な情報としては、
日本ではじめて「花粉症」として認められたのは、
1961年だっていうじゃありませんか。
しかも、それはスギではなく、ブタクサのほうだった、と。
それまでは、「花粉症」の人たちはどうしていたか?
たぶん、「風邪」だと思ったり思われたりしていたんだよ。
ひんぱんにくしゃみをする、鼻水がでる、目がかゆい、
のどが痛い、だるい、すべていわゆる風邪の症状だ。
いつごろの時代からか、花粉症にあたる症状の人はいた。
しかし、それが「花粉症」と考えられるようになるまでは、
その人は「風邪を引きやすい、風邪が長引くやつ」
というふうに思われていたと思うんだよね。
ぼく自身が「風邪を引きやすいやつ」として
幼い時代を過ごしてきたから、よくわかるんだ。
ぜんそくもあったし、秋はイネ科の花粉アレルギー、
そして、たぶん冬は「寒暖差アレルギー」だったんだよね。
これ、「風邪ひきやすい子」として大人に同情されるのも、
仲間にちょっと「身体よわい」と思われるのも、
子ども心にいやだったんだよなぁ。
「花粉症」という病名や治療法の知識があれば、
症状は同じでも、その病名で落ちつけたんだよね。
だけど「風邪ひきやすい人」みたいな分類をされると、
病気でもないし治療法もわからないままだから、
「身体を鍛えましょう」みたいなことになっちゃうからね。
本人もどうしていいかわからないんだ。
まるで人格の問題みたいに思われちゃうのがつらいんだよ。
本人にも努力のしようもない直しようがないことで、
同情されたり無意識の差別をされるっていうのは、
実はどよーんと心を重くするものなんだよね。
思えば、そういうことはたくさんあるよなぁ。
・今日は「前橋BOOKFES」クラウドファウンディングの
返礼品という名目の「勉強会」で前橋に行きます。
たぶん寒暖差アレルギーのせいで、風邪のような感じです。
でも、焼きまんじゅうとピザは絶対に食べてきます。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
すべて健康で絶好調、なんて状態は宝物のようなものだ。