・いまはエックスとかいう名前になったらしいけど、
ツイッターというものが登場したとき、
ぼくは「なんでそんなものやるんだ?」と思った。
「つぶやき」なんて、みんな日常でやってたっけ?
なんでもかんでも「つぶやき」で漏らしていたら。
まとめて考えることができなくなっちゃうんじゃないか。
そういう意見を持っていたし、ぼくはやらなかった。
やがて、他の人のツイートを読むようになって、
これは読んでるぶんにはおもしろいな、と思いはじめた。
そのあとは、やっぱり大きな震災がきっかけだったな。
140文字くらいのことばで、伝えておきたいことがあった。
唐突に言うが、黒澤映画の傑作『七人の侍』のなかで、
長老が「侍を雇うだ」と言う有名な場面がある。
そのことばは短いけれど、世界に届くことばになった。
あれは、なんだかツイッターっぽいなぁと思った。
ツイッターが日本で140文字になったのは、
とてもよかったんじゃないかと思っている。
どういう過程で決まったのか知らないが、
日本語で140文字というのは、
書く方としてはけっこうな情報量が入るし、
読む方もかなりの情報を受け取れる。
もともと日本には「短歌」があったわけで、
これは「三十一文字」でこんなに言えるという文芸だ。
さらには、ごぞんじ「俳句」でしょう!
「五・七・五・七・七」でもじゅうぶんに短いのに、
もともと短すぎるくらい短いのにだよ、
下の「七・七」を捨てちゃうんだから凶暴なくらい短い。
十七文字でなんとかしろって、ものすごい。
ツイッターの140文字の原稿用紙のなかには、
短歌なら4首、俳句なら8句入っちゃうのだから、
日本語を使う人にとってのツイッターは、
広大とは言えないけれど、じゅうぶんに遊べる空き地だ。
ぼくは、毎日、この「今日のダーリン」を、
27文字40行というふうに決めて書いているが、
ツイッターのレイアウトと同じように、
140字で書いてみようかなと思った…のだけれど(笑)
結局のところ、こういう内容になってしまった。
近い内に、140文字を並べるの、実行してみます。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
それにしても「七・七」を捨てちゃった俳句って、恐ろしい。