田中×糸井対談
担当・ふなわ
第10回 &ジ・アザーズ
- 糸井
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あれは、でも、大勢の人たちに、なんかその、わかってもらえるかどうかはむずかしいねぇ。
- 田中
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でも、その、今僕思ったのは、やっぱり肉体の重要性、すごい大事だなと思って。
- 糸井
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だから、「ご近所」って、物理的な「ご近所」もありますよね。
- 田中
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はい、そう。だから、なんかちょっとね、体を動かそうと思ってきましたね、だいぶ。
- 糸井
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あぁ。そうでしょう。それで、釣りで、プロの人に早くから知り合えるわけですよ、僕らは。
- 田中
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はいはい。
- 糸井
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なんていうの、鍵括弧、有名人って下駄履いてますから。そうすると、知ってる人が知ってる人をつなげてくれると、最初からチャンピオンの話だとかが聞けるわけですね。
- 田中
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あぁ、なるほど。
- 糸井
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すると、すごい釣りのうまい人に、その人に向かって、「坊主っていうのはないですか?1匹も釣れなかった経験っていうのはないんですか?」って、僕が聞くわけですね。もうそこの坊主から逃げ出したいわけですから、僕は。
- 田中
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うんうんうん。
- 糸井
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むやみに水に向かって投げているだけですから。その時に、「基本的に坊主って、ないんじゃないでしょうか」って言ったんですよ。「釣りがある程度わかっていれば、基本的に坊主っていうのはないんじゃないでしょうか」って、他人事にように言ったんですよ。うれしいじゃないですかぁ。「えぇ?そんな魔法は、魔法じゃなくて、科学だったんですか」っていうお話になるわけだから。で、インターネットでもそう思いますよね。
- 田中
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なるほど。
- 糸井
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というのを積み上げていったのが今に至るわけで、もしかしたら泰延さんは、それがバンドを組むことなのか。
- 田中
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バンドを組む(笑)。今朝、燃え殻さんが、「バンドやろうぜ」って言ったんですよ。
- 糸井
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浅生鴨はベースを買ったんです。
- 田中
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ベースを(笑)、やりはじめたって(笑)、ヤバい。
- 糸井
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きっとベースが足りなくなるだろうって、初めから思ったって。
- 田中
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(笑)やりたがる人いないから。
- 糸井
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手土産男と同じなんですよ(笑)。
- 田中
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ベースはね、じゃんけん負けた人のポジションですからね。
- 糸井
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そう。だから、一番気の利かない永田がなんて言うかは知りませんけど(笑)。
- 永田
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言いませんから(笑)。
- 田中
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まぁね、僕も「俺が俺が」だから、高校時代やってたバンドの名前は、「ヒロノブ&ジ・アザーズ」ですから。
- 一同
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(笑)
- 田中
-
これはひどいでしょう?
- 糸井
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それ、本当だったんですね。
- 田中
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「&ジ・アザーズ」ですよ。
- 糸井
-
すごいですよね。
- 田中
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それで、もうよしとするメンバーも素晴らしいですよね。
- 糸井
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すごいね。
- 田中
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それ、パンクですよね。
- 糸井
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その説得力がすごいね。つまり、OKしたわけでしょう?
- 田中
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うん。「これは誰が聞いてもひどいと思うから、ひどい中で不機嫌に弾いてるお前たちは、たぶん『最高』って言われるよ」(笑)。
- 糸井
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あぁ、すごいね、それは。
- 田中
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それで、俺が、「どうも、ヒロノブ&ジ・アザーズです」って言うと、みんな、「チッ」って言いながら演奏始めるわけですよ(笑)。
- 糸井
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あぁ。
- 田中
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あの頃は決まってるんです、「チッ」。嫌そうにやる。
- 糸井
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その発想は、俺、1回やったことがあって、イッセー尾形さんの会社が、株式会社らっていうんですよ。
- 田中
-
ら?
- 糸井
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で、それは、僕が名前付けたんですけど、「イッセー尾形・ら」。
- 田中
-
あぁ、その他の人たちなんだ(笑)。それはひどい(笑)。
- 糸井
-
そう。その他として。
- 田中
-
ひどい(笑)。
- 糸井
-
株式会社ら(:イッセー尾形ら・株式会社)なんですよ。
- 田中
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なるほど。
- 糸井
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あれは独り芝居で、全部イッセー尾形が前に出るわけですから、「それでどう?」って言ったら、「最高」って言って。
- 田中
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すごいですね。
- 糸井
-
アザーズどころじゃないか。
- 田中
-
じゃないですか。
- 糸井
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あとは、まだ、「など」っていうのがね、
- 田中
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「など」ね、「など」。
- 糸井
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残ってますよね、「ほか」っていう(笑)。
- 田中
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「ほか」(笑)。