- フジテレビ開局50周年特別企画
『わが家の歴史』
あたしねえ。 |
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あたし、どうしたんですか? |
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1個、1個のシーンが 大袈裟じゃないところがよかったです。 | ||
そう、ちっちゃいんだよね。 |
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感動もそうだけど、 お笑いに関してもしつこくなかった。 | ||
あのさ、これさ、僕ら、 エンディング、知らないじゃないですか。 泣くんですかね。 どうなるの、これ。 | ||
分かんない。 |
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僕はね、元気が出るんだと思うね。 |
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もうすでに元気ですよ。 |
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楽しくて元気だよ、今。 |
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一緒に歩んでいこうという気になったよね? |
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あ、そう、一緒に歩んでいこう、 っていう気になった。 ほんとにその人の人生と。 それがすごく、あたし、すごかった。 | ||
それからやっぱり三谷さん。 三谷さんがますます好きになった。 | ||
普段の三谷さんと またちょっと違うのが面白かった。 あたし、見たことないんですけど、 向田邦子さんのドラマって どういう感じなんですか? | ||
もっとねえ、厳しいとこがある。 すばらしく、そして厳しい。 | ||
厳しいとこがあるんだ。 |
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でも、すっごいいいよ。 |
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あ、それこそ昭和の頃に こういうドラマが結構あって。 三谷さんって結構ほら、 いろんなスタイルのドラマに オマージュしていく人じゃないですか。 | ||
そうですね。 |
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あー、そうか。当然、向田さんとか、 久世さんとかあるだろうし。 昭和のドラマではぼくは 『ありがとう』とか好きでしたよ。 | ||
そうですね、『ありがとう』は 私も中学生のとき再放送で見た。 | ||
井上順ちゃんとかチータとか、 石坂浩二さんとか。 京塚昌子とチータが親子だっけ? | ||
ううん、山岡久乃さん。 大好きだったー。 | ||
西田敏行さんの『池中玄太80キロ』だって。 |
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『池中玄太』、よかったよねえ。 ファミリードラマ、ホームドラマ。 | ||
最近ちょっとスタイリッシュだから、 ホームドラマも。 | ||
家族がみんな、 どうなっていくっていうので言えば、 『北の国から』もそうだし。 | ||
あ、そうよね。 |
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そうだね。 |
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でもああいうふうに、 しんみりさせすぎないところがいい。 | ||
なんかほんとに普通だよね。全員が。 特別にすごく才能があるわけじゃないし、 | ||
そうですね。 |
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ほんとにこのタイトル通り、 『わが家の歴史』っていう。 | ||
親戚のことって、 それぞれ大変な人生を みんなで噂し合ったりとか、 力合わせたりしたじゃないですか。 そういうのをすごい思い出した。 | ||
あー、分かる、分かる、分かる。 |
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今、あんまりない感じですよね。 |
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うちはまだ親戚が全員、 京都で実家の近くに集まって住んでるから そんな感じよ。 | ||
あなたんちもおじいちゃんが亡くなったとき 大変だったって。 | ||
(笑)。 |
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彼女がいっぱいいたっていう。 |
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そう、あたしが、東京に出てたから、 面が割れてないからっていうんで、 お前が行くしかないってみんなに言われて(笑)、 あたしが1人ずつのおばあさんのところを回って、 おじいちゃんがあなたの名前で 預金通帳を作ってますけど おろしていただけませんかって頭下げに回ったの。 大学生ぐらいのときよ。 | ||
くださいって言う人、いなかった? |
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いなかった。 |
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へえ。 |
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みんな、ビックリしてた。 |
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おじいちゃんも甲斐性あったね。 |
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でも実家の商店で 万引きばっかりしてたのよ。 | ||
彼女には、いい顔してたんだー。 |
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スガノだってレジの金取っただろ。 |
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そうそうそうそう。 500円玉集めてスカート買った。 | ||
よっぽど繁盛してたんだね、 それで傾かないっていう、 | ||
ていうか、現金商売なんだよね。 うちもそうだけど、 裕福じゃないけどお金は回ってる。 | ||
そうそう。 |
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だってうちの父なんてさ、 和菓子屋だけどさ、 ちっちゃい頃は職人さんの時代で、 住み込みで給料なしで 盆と正月に下駄と着物と帰省代みたいなことで 商売を成り立たせていたわけでしょう。 お金がいっぱいあったらしくてさ、 レジのお金でライカのカメラ買ったとかさ。 | ||
え(笑)? |
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父の弟は中学生でスーツ作ったとかさ、 もうほんとに! | ||
全員 |
(笑)。 |
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昭和だねえ。 |
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昭和だー。 |
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ほんとにね、焼け野原からだから、 全然平気、もう。 | ||
焼け野原。 |
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あたしのおばちゃんち行くと、 みんな、お嫁入りしたところに だだっ広い土間みたいなところが必ずあるの。 どうして、親戚中、みんな、 こんな地下室みたいなのがあるんですかって訊いたら、 あのね、いつかうちのおじさんがどうにかなって、 会社倒産したりしてだめになっても、 いつでも物仕入れて売れば 生きていけるからって、 家を建てるときにみんな。 | ||
お店ができるスペースを? |
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そう、お店みたいなスペースを作ってた。 |
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作るんだ。 |
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知恵だね。 |
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すごいね。 |
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だからあたしもなんか、 食いっぱぐれたら 物を仕入れて売ろうって思ってる。 | ||
腐らないものをね。 |
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そう、腐らないものを。 |
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うちの親はなんか 足袋を売ってしのいでたらしいよ。 それで一時すごく儲かっちゃって、 空襲来たときに備えて窓を黒く貼るでしょ、 あれをして、周りの人に分からないようにして おいしい白いご飯食べてたんだって(笑)。 | ||
え(笑)、ひどい! |
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悪! |
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ひどーい。 |
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昭和だねえ。 |
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足袋のおかげで 食い物だけは困らなかったって(笑)、 母ちゃんが言ってます。 | ||
そうだ、浮き沈みがあるし、 それでいいしみたいな感じだったんですね、 | ||
これね、誰かと見た方がいいかも。 |
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あ、そう思った。 |
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家族でももちろんいいし。 |
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家族がいい。 |
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うん、あと、 仲のいい友達と見るのもすごくいいと思う。 | ||
友達でもいいね。 |
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友達、うん、いい。いいと思う。 |
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もちろん1人だって面白いけど、 喋りたくなると思うんだよね、これ。 | ||
一同 |
なる、なる。 |
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見ながら、すぐ、 「今のあれ!」とか言いたいもんね。 | ||
言いたい、言いたい。 |
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あと、親に見てほしい。 |
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あー。 |
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そうそうそうそう。もう絶対薦める。 |
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元気になるかもね。 |
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元気になるし、 僕らよりよく知ってるから。 | ||
そうだ、そうだ。 |
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いはったな、ああいう人、みたいに言いそう。 |
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そうだ、そうだ。 |
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そして、みんな、どうしてんのかな、 みたいに思うよね。 | ||
そうなのー。気になる。 |
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実在の人物だったら、 まだ存命ですよね、政子さんたちも。 で、お父さん、お母さんは 亡くなってるんだろうなとか、 語り部の彼はもういい中年のおじさんなんだなとか。 | ||
いや、ほんとにそう思う。 これ、すごいいい作品だった。大好き。 |
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(おわります! ありがとうございました~) |
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2010-04-09-FRI |