糸井 |
いまのぼくは、もう、長い文章については、
書けないと決めて書いているような状態ですね。 |
荒井 |
「書けない」、ですか。 |
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糸井 |
いいとか悪いじゃない、というのかな。 |
荒井 |
ああ、なるほど。 |
糸井 |
だから、いいとか悪いとか言われたら、
文章がいいとかそういうことは関係なくって
オレがいいんだよ、って言いたい(笑)。 |
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一同 |
(笑) |
荒井 |
あーーー、いいなぁ、それ(笑)。 |
糸井 |
あの、けっこう、この本
(『あたまのなかにある公園。』)って、
そういうものかもしれない。 |
荒井 |
本、あらためて読みましたけど、
やっぱり、おもしろいです。
こういう表現がいいのかわからないですけど、
すっごい笑いました。 |
糸井 |
あー、そうですか(笑)。
それはうれしいほめられかたです。
そうか、笑えましたか。 |
荒井 |
これ、笑いますよ。 |
糸井 |
だからそれも、あえていうと、
オレの文章がおもしろいんじゃなくて、
オレがいいんだよ、と(笑)。 |
荒井 |
そうだそうだ(笑)。 |
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糸井 |
まぁ、熱心な担当者が
こういう短い切り取り方を
してくれているから成立するんですけどね。
大きな壁画をつくるような根性は
ぼくにはないですから。
だから、きっと、焼き鳥屋も
2年間、続かないんですよ。 |
一同 |
(笑) |
糸井 |
荒井さんは、やっぱり、
そのへんの強さがあるんだなぁと
今日、いろいろうかがっていて思いました。
なんというか、ある持続性を持ったうえで、
瞬間をつかもうとしてるというのかな。
その仕事のしかたというのは
いまの日本にあんまりいないんじゃないかと
ぼくは思います。 |
荒井 |
うーん、そうなんですかねぇ。 |
糸井 |
個展をやってて、個展だけにならず、
絵本をやってて、絵本だけにならず、
そういうちょうどよさっていうのかな。
たぶん、ほんとうに個人的な趣味のような、
小さなイラストの仕事とかも、
ぽろんとやってらっしゃいますよね。 |
荒井 |
やってます、やってます。 |
糸井 |
そのバランスって、心地いいでしょ。 |
荒井 |
心地いいですね。 |
糸井 |
ですよね。 |
荒井 |
人から見ると、たいへんでしょ
って言われるんですけど、いや、ぜんぜん。
たとえば、タイトなスケジュールで入ってくる
雑誌のイラストレーションとかの仕事に
意外と助けてもらったりするんですよね。
助けてもらってるというか、
たのしんでるっていうか。 |
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糸井 |
うん、よくわかる。 |
荒井 |
ですよね。 |
糸井 |
うん。
あの、終わらないと続いちゃうんで、
このへんでまとめることになりますけど、
じゃあ、また会うと思っててもらえませんか。 |
荒井 |
はい(笑)。 |
糸井 |
ぼくも思うようにしますから。 |
荒井 |
いや、おもしろかったです。 |
糸井 |
おもしろかったなぁ。
お会いしてはっきりわかったけど、
どうやら、おんなじような島で遊んでますね。 |
荒井 |
そうですね。 |
糸井 |
住んでるところはどうもちがうんだけど、
遊び場は近いですね。 |
荒井 |
近いですね(笑)。 |
糸井 |
ありがとうございました、ほんとに。 |
荒井 |
とんでもないです。
ありがとうございました。 |
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(荒井良二さんと糸井重里の対談は今回で終了です。
お読みいただき、どうもありがとうございました) |