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| 糸井 |
前川さん。今日はどうも。
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| 前川 |
糸井さん、
よろしくお願いします。
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| 糸井 |
対談するのはこの部屋なんです。
入りましょうか。 |
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| 一同 |
（迎え入れの拍手）
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| 前川 |
‥‥‥この状況は、なんですか。
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| 糸井 |
ここは、普段は会議室ですけど。
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| 前川 |
はい。
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| 糸井 |
うちの社員が、会議室に
セットを作ったんです。
ふだん会社で使ってるライトやソファに
こういうもの（ミラーボール）を
5000円ぐらいで買って足して‥‥。
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| 前川 |
あ、これ、え？
ここは普通の会場ですか？
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| 糸井 |
普通の会社です。
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| 前川 |
で、みなさんは？
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| 一同 |
（笑） |
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| 糸井 |
これは社員です。
この人たちは、
入場料払ってるわけでもなんでもなくて、
いまは仕事をさぼって座ってるだけです。
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| 前川 |
え？
ということは、糸井さん、
ここの‥‥？
糸井さんの会社ですか。
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| 糸井 |
そうです。
ぼく「の」というより、
ぼくが代表をやってる会社です。
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| 前川 |
で、（改めて）、
みなさんは？
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| 一同 |
（笑）
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| 前川 |
社員というのは
わかったんですけども。
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| 糸井 |
はい。
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| 前川 |
糸井さん、
何の仕事してるんですか？
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| 糸井 |
はははは。
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| 前川 |
糸井さんはね、テレビ出られたり、
もちろん作詞なさったり、
「雪列車」もお世話になったりして。
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| 糸井 |
いやいや（笑）、こちらこそ
ありがとうございます。
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| 前川 |
あの‥‥、ぼくなんかは「歌い手だ」って、
一応、イメージがあるじゃないですか。
糸井さん、もともとはあれですよね、
キャッチコピーをお書きになる‥‥
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| 糸井 |
そうです。
広告屋です。
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| 前川 |
そうです、広告、広告。
で、いまは？
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| 糸井 |
広告はしてません。
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| 前川 |
おやめになったんですか。
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| 糸井 |
というか、もう全体的に
「頼まれ仕事」は、やめたんです。
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| 前川 |
じゃ、いまはご自分が好きな仕事をなさってる。
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| 糸井 |
はい、自分が好きな仕事をしています。
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| 前川 |
自分の好きな仕事で、
こういうふうに、人がたくさん‥‥？ |
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（ここで、お茶が出ます。
お茶出しするのも、もちろん社員です）
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| 糸井 |
飲みものはたぶん
お茶だと思います。
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| 前川 |
（ぽっかーん）
あ‥‥どうもどうも、
わざわざありがとうございます。
ケーキ？
ケーキに豆？
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| 一同 |
（笑）
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| 糸井 |
そら豆。メニューがめちゃくちゃですね。
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| 前川 |
豆はこういったお店の定番ですよね。
いや、しかし‥‥おもしろいなぁ。
あの‥‥、糸井さんは、
おもしろい仕事を
なさってるんですね。
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| 糸井 |
前川さん、ご存知なかったんですよね、たぶん。
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| 前川 |
いや、ぼくはなんにも知りません（首を振る）。
広告のコピーをお書きになって、
作詞家もおやりになって、
いろんな面でご活躍されてます。
うちに息子がいるんですけど、
そいつが糸井さんをあこがれと思ってまして。
というのは、彼は非常に釣りが好きで。
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| 糸井 |
はい。
お聞きしたところによると、
そうみたいですね。
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| 前川 |
で、あの‥‥、釣りの番組が
あるじゃないですか。
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| 糸井 |
はい。
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| 前川 |
その番組を見てて、
「オレ、知り合いなんだぞ」
なんて言っても、
息子は信用しないわけですよ。
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| 糸井 |
ええ（笑）。
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| 前川 |
というのも、長いこと、
お会いしてませんでしたからね。
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| 糸井 |
はい。
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| 前川 |
だけど、よくよく考えたら、
そういう釣りだって‥‥。
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| 糸井 |
釣り、仕事じゃないですね。
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| 前川 |
‥‥ですよね？
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| 一同 |
（笑）
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| 前川 |
ですから、考えてみると、
仕事をしてる糸井さんって、
会ったことないんですよ。
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| 糸井 |
そうか（笑）。
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| 前川 |
糸井さん、なんなのか、つかめない。
正体不明。
ぼくなんかだと、現場に行って
歌を歌わないと、お金にならないわけですよ。
‥‥だから、要するにですね、
（会場にいる）みなさまも、
仕事といっても、なにを？ |
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（つづきます） |
