ありがとうが爆発する夜
矢沢永吉バースデー記念
スペシャルイベントまでの日々。

20年以上も前に、「成りあがり」という本が出た。
矢沢永吉が語りに語った言葉を、
ぼくは活字にする仕事をしたのだった。
ふたりとも若かったし、その後どうなるかも定かでない
不安定な、やせて飢えた若いヤツだった。
それから、ずいぶん月日が経ったけれど、
ぼくは知っての通りだし、
エーちゃんもあんなふうに大きさを増していった。

「50歳になってもケツを振って歌っていたい」と、
あの頃言った言葉は、嘘ではなかったけれど、
その50歳が、もう目前に迫ってきている。
あっけなく、長い時間を跳び越えてしまった。

50歳の誕生日は、みんなで、集まって祝おう。
エーちゃんは、支えてくれた仲間やファンに、
ツバを飛ばしながら大声で「ありがとう」をふりまきたい、
ぼくらは、エーちゃんに「ありがとう」をぶつけたい。
7万人の集う大パーティーまでのカウントダウンを、
この「ほぼ日」でやっていきたいと思います。

このコーナーは「矢沢永吉公認ページ」
“E.YAZAWA ONLINE SHOW”の
協力を得て作っています。よろしくぅ。
http://www.toshiba-emi.co.jp/yazawa/

TONIGHT THE NIGHT !
1999-9-15バースデー記念スペシャルイベント
“ありがとうが爆発する夜”NHK BS-2で放映!

10月1日(金)20:00〜22:00
NHK BS-2で“ありがとうが爆発する夜”が
放映されます。題して、
「エンターテインメントスペシャル
 ありがとうが爆発する夜
 矢沢永吉ハッピーバースディ50thスペシャルライブ」。
ほぼ日読者や、ほぼ日筆者、darlingやほぼ日スタッフが
体験したあのライブを、ぜひ観てください!
そして、
松本人志さんとdarlingが矢沢永吉を語る対談の最終回は、
“似てるところ”“同じところ”について話しています。
矢沢永吉グッズのプレゼントコーナーもあります。
バリバリ応募してください。よろしく!


松本人志さんとdarlingのYAZAWAばなし!
その3(最終回)

糸井 永ちゃんと松ちゃんって、
ものすごく同じところがひとつあって、
何を物差しにしてるかがまったく同じ。
自分が物差し。
自分が物差しだから、心配は心配なのよ、いつでも。
だけど、答え出したら心配がなくなるからって、
がむしゃらにやるわけ(笑)。
この繰り返しなんだよね。
そこは、まったく同じに見えるよね。

永ちゃんのツアーが始まる前に都内でリハがあるんで、
「行ってみようなかな」ってスタッフに俺言ったの。
「じゃ明日いい?」って言ったら、
翌日の午前中にスタッフから電話があって、
来ないほうがいいですよって言うの(笑)。
ツアー直前になってちょっとテンションが
高くなりすぎてるんで、来ないほうがいいです、って。
松本 (笑)そんなことがあるんですか。
糸井 だって、毎年やってるわけですよね。
まあ、今回はバンドメンバーが3カ国から来たりして
ナーバスになる意味もちょっとはわかるんだけど、
俺らから見たら、永ちゃんが毎年やってることじゃない。
なのに、そういうこと、がむしゃらにやってる(笑)。
松ちゃんの「寸止め海峡」観たときも同じだよ(笑)。
松本 ええ。
糸井 あれ、ステージは違うけど
俺らが見てると、永ちゃん物語よ。
友達が楽屋に寄れないタイプ。
松本 あの……テンション高いってのは、
どういうことですか?
荒れてるってことですか?
糸井 いや、ピリピリしてるんでしょ。
松本 ピリピリ。
糸井 けっして乱暴する人じゃないですよ。
もうあれやって、これやって、みたいに
ピリピリした光線が出てるんじゃないの。
松本 そうかぁ。
糸井 心配性ってことでもあるんだよね。
誰かが「いいよ」って言ってくれたら、
「いい」にしちゃう人もいるわけだよ。
永ちゃんは演出家を置くわけでもないし、自分でやる。
松本人志も仮に演出家を置くとして、
その人が「松ちゃん最高だよ」って言っても、
いやなものはいやでしょ?
自分が納得するまで追求するでしょ?
松本 ええ。
仮に僕が、とんでもない、なんにも面白くないコントを
作ったとしてね、マネージャーの藤原にね、
「これおもろいよなぁ?」って言ったらね、
藤原はやっぱ「おもろいです」って言うと思うんですよ。
いや、これは無理です。
そのことの不安ってのはやっぱりあるでしょうね。
だから「いや、おもしろくないよ!」って言える人間を
できるだけ周りに置いておきたいんやけども……。
糸井 それ言う役の人も上手になっていっちゃうよね。
結局どうなるかっていうと、俺の場合は
「お前が面白いって言ってることは
どうつまんないか」を語り出すの。
つまり、俺がものすごくつまんない企画を出して、
「いいっすね」って言ったら、
「どこがいいわけ?」って聞くの(笑)。
それを「いい」とすると、ここで負けるぞっていうね。
自分が企画つくったくせに(笑)。
松本 (笑)それはたまに引っかけとしてやるわけですか?
僕もそれを考えたことがあるんですよぉ。
考えたことはあるんですけど……こわいですね。
ものすごいこわいことですよ。
糸井 こわいよ。
早い話が家に帰ってから、眠れなくなる時間を
つくっちゃうんですよ。
松本 あー、こわいなぁ、それは。
糸井 でも、そういう話をしてて、
逆にヒントが出るときがあるんですよ。
「僕はこう思ったんですけど」って言われたときに、
「まてよ……」って思う瞬間があって、
「こういう逃げ道があるな」とか、
もう一本道がみつかったりする時があると、
「ああ、よかった」って思うよね。
貧乏性というか、働き者というか。
けっしてハッピーで豊かな人の生き方じゃないですよね。
松本 じゃないんですよ。
糸井 そのへんは、永ちゃんと近いなぁ。
それから松ちゃんと永ちゃんでもうひとつ似ているのは、
「あれはダメ」「あいつはダメ」って早めに言っちゃって、
自分をとことん追い込むでしょ(笑)。
松本 (笑)大いにありますよね。
糸井 で、「あれはダメ」って言ったなかに、
ちょっとは自分も含まれてるわけですよ。
きっついことするなぁ、とは思うけど、
でも言っちゃったいじょうは
自分がちがうもの出さなきゃならない。
学生じゃないんだから、みたいな。
松本 僕は「ガキの使い」をやってても、
未だにあるんですよ。
ハガキ読むコーナーで。
こないだもやってもうたんですよ。
「若いお笑いのヤツら、今からこれを見とけ!」と。
「こんなやりにくいお題を出されて、
こんな笑いをとれるんや、俺は!」っていうことをね、
ドーンと言うてまうわけですよ。
ものっすごい自分苦しいですよね(笑)。
脂汗ダラ〜出ますからねぇ。
もうこれはねぇ、どうしたもんかなぁ……。
糸井 すでにあるブランド力で勝負したくないって
気持ちがあるよね。
松本 そうです。
そうなんですよ。
「今日ちょっとおもしろいこと言ったなぁ俺」って
思ってもね、
今日俺が言ったことを別な誰かが言ったら
どうなるんだろう? とかね、
それを考えてしまいますね。
糸井 置かれている場がちがったらつまらないかも、とか、
その計算はすごいよねぇ。
松本 俺が今日言ったアレを、
あいつが言ったら俺は笑うかなぁ?
いや、笑うなぁ、「こいつおもろいな」って思うな、
じゃあやっぱりおもしろい、とか(笑)。
糸井 それたぶん永ちゃんも同じだと思うなぁ。
早い話が、永ちゃんのセリフで有名なのでさ、
「ほかにだれがいる?」っていうやつだよ。
たしかにほかにいないんだよ。
それも似てるでしょ。
松本 でも、僕の場合はどこか
こわさの裏返しみたいなところはありますねぇ。
糸井 だから、いわゆるファンっていうのとは
ちがうんだよね。
松本 そうですね。
もちろん好きですし。
僕ね、やっぱり「HEY ! HEY ! HEY ! 」をやってて、
「来週、矢沢さんゲストで来ます」って言われるのが
実はいちばんイヤなんですよ。
矢沢さんに限らずそうなんですけど、
あのー、ま、緊張するってのもあるし、
なんか……なんでしょう、
「べつに会わなくていい」って気持ちがあってねぇ。
それやったら、他の人が矢沢さんに会ってるのを
僕はブラウン管で観たい、
って思ってしまうんですよね。
それはきっと、僕の笑いのとりかたっていうのは、
ゲストをどっかもてあそんで笑いをとらないかん
っていうのが大前提にあるんで、
矢沢さんで遊ばないかん……ってことで、
うーん、なんかちょっとイヤなのかなぁ。
糸井 僕はオンエア観てないんだけど、多少遊んだんですか?
松本 ……それ相応には。
糸井 それ相応に(笑)。
結局、受けとめて流しちゃうみたいな感じで?
松本 そうですね、もう。たぶん昔やったら
怒って帰っちゃってたのかもしれないですけど……。
糸井 それはないと思うよぉ。
伝説になっているほど
ヒドイことは何もしてないよね。
ただ、マスコミに対して殴り込んだとか、
個人的にやりに行ったりはするよね。
要するに自分で動かないと
止まらないんだって発想ですよ。
松本 そういうことはいったいどこで
学んだんやろ(笑)。
糸井 わかんない(笑)。
たぶん昔、不良してたときじゃないかなぁ。
でも、不良してるときにも
音楽の学校行ったりしてるんだよね。
松本 そうですよね。
たしかギター教室みたいなとこですよね。
糸井 謎の人なんですよ。
松本 (笑)。
糸井 英語だってちゃんと習ってたでしょ。
そういうクソ真面目さは人生の先輩だと思うね。
そういうこと教えてくれる人いないもんね。
だから、矢沢永吉、
松本人志って、ジャンルはちがうけど、
別の場所にひとりずついるってのは、
俺から見てるとすごいおもしろいんですよね。
松本 だから、ファンというより、なんやろ。
だからあの人の人間性というか、
生きざまというか、そんなんが好きですねぇ。
糸井 結局その部分の魅力があるから、
あれだけ大勢の、しかも長くつきあってきてる
永ちゃんファンというのがいるんだろうなぁ。
で、永ちゃんも50歳なわけなんですけど、
50歳ってなかなかすごい歳じゃないですか。
松本さん今いくつですか?
松本 えー、36歳になりました。
糸井 50歳まであと14年かぁ。
50歳ということをキーにして自分を考えるとどう?
松本 あと14年……、どうなんでしょう。
だからねぇ、今はもう誰でも簡単にカリスマみたいな
言葉を使いますけど、さっきの辰吉の
「何ベルトなんだ」という話といっしょでねぇ、
たとえば、矢沢永吉がニューシングルだしたら、
どこまで売れんねん、っていうとね、
あの人より売ってる人いっぱいいるわけですよねぇ。
それこそ、商業的には上行ってるにもかかわらず、
ぜったいに矢沢永吉を抜けないミュージシャンたち。
それは、さっき話した何ベルト巻いてるのかわからんけど、
“見えないベルト”巻いてるのと一緒で、
僕もそういうタレントになりたいし……、
そこで勝負したいし。
だから視聴率だとか、
ゴールデンで自分の番組を何本もてるかとか、
そういうことじゃなくて、最終的に
「やっぱり松本は抜かれへんなぁ」っていう位置をね、
ちゃんと築いていきたいという。
それがまああと何年かかるかわからないですけどねぇ。

(おわり)



松本人志さん、お忙しいところ、
ホントーにありがとうございました。
矢沢さんを語る部分はこれで終わりですが、
松本さんとdarlingの対談はまだまだ続いています。
そちらは別なコーナーを立てて掲載する予定です。
そして、
突然ですが……約2カ月にわたって連載してきた
このコーナーは、今回が最終回になります。
最後に、みなさんへプレゼント!(提供:東芝EMI )

ありがとうが爆発するプレゼント!
矢沢永吉オリジナル携帯灰皿を10名様に。



高さ約7.5センチ、幅約3センチ。
上ブタに刻まれている文字は、
“EIKICHI YAZAWA LOTTA GOOD TIME”。
今回のツアータイトルです。
キーホルダー用のリングつきです。

永ちゃんの携帯灰皿でカッコよくキメたい人は、
メールに、
氏名(フリガナ)、住所、電話番号を記入のうえ、
件名を「灰皿希望」と書いて、
sakana@1101.com に送信してください。
しめきりは、10月4日(月)15:00です。
当選者は、コルクボードで発表します。

そうそう、スタッフ“ポチ”氏のツアーレポートは、
矢沢永吉公認ページ“E.YAZAWA ONLINE SHOW”に
バトンタッチする形で、連載が続いています。
12月11日の日本武道館まで、
矢沢永吉さんのツアー隊が全国を突っ走ります。
“ポチ”氏のツアーレポート、応援よろしく!

1999-10-01-FRI

“ありがとうが爆発する夜”は終わっても、
矢沢永吉を追いかけるコーナー!




テレビで追う! (9/23更新)

■10/1(金)20:00〜21:59  NHK-BS2
  「エンターテインメントスペシャル
   ありがとうが爆発する夜
   矢沢永吉ハッピーバースディ50thスペシャルライブ」


雑誌で追う! (9/23更新)
矢沢永吉の写真や、インタビューが載る雑誌です。

■9/2(木)発売「R&R News Maker」

■9/10(金)発売「Men's club」(表紙、インタビュー記事)

■9/27(月)発売「オリコン ザ一番」(9/15横浜コンサート記事)

■10/2(土)発売「R&R News Maker」(9/15横浜コンサート記事)


CDで追う! (9/16更新)
9/15のライブでも、このアルバムから
何曲かやってくれました。

好評発売中!
「LOTTA GOOD TIME」

TOCT-24200 ¥3,059(tax in)



アルバムタイトルはツアータイトルと同じです。
「LOTTA GOOD TIME」は2年ぶりの全新曲、11曲入り。
2000年開催の外洋ヨットレース
「アメリカズ・カップ」テーマソング、
映画「お受験」エンディングテーマを収録。

1.Oh!ラブシック
2.風の中のおまえ
  (ニッポンチャレンジ・テーマソング)
3.THE STRANGE WORLD
4.フォーチェン・テイラー
5.ヘヴンリー・クルーズ
6.ロックンロール・バイブル
7.寂しくてたまらない
8.バーチャル・リアリティー・ドール
9..永遠のひとかけら
10.金ピカのドレス
11.I have no reason.
  (映画「お受験」エンディングテーマ)

All Songs written by Eikichi Yazawa
All Lylics written by Hisashi Kato

解説(東芝EMI
約2年ぶりになる待望の全新曲アルバム。
アルバムタイトルは“a lot of〜(たくさんの)”の
発音表記で「ララ・グッタイム」と読みます。
好評だった前作“サブウェイ特急”と同じく、
一流ミュージシャンが多数参加し、
独特の矢沢メロディーを軽快なグルーブで聴かせます。
今作の特徴は、少ない音数で構成された
余裕のストレート・ロック!
70'sの“Faces”や“Rolling Stones”を
彷彿とさせるようなロックを愛する者には、わかるはず。
ピュアなロックの衝動をギッシリ詰め込んだ
'99年型のYAZAWAロックンロール集です。
歌詞は全曲、The Collectorsの加藤ひさし氏が担当。
“エネルギー!”と“ロマンチシズム”をテーマに
新しい矢沢ワールドを構築しています。

矢沢永吉さんへの激励や感想などは
メールの表題に「矢沢永吉さんへ」と書いて

postman@1101.comに送ろう。

1999-09-23-THU

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いままでのタイトル

1999-07-24  ほぼ日読者のためのチケット先行予約!
1999-07-27  読者枠チケット先行予約しめきり迫る
1999-07-30  一般電話予約・店頭発売スタート!
1999-08-03  ファン歴15年のアドバイザー登場!
1999-08-05  ありがとうが爆発する対談 1曲目
1999-08-10  ありがとうが爆発する対談 2曲目
1999-08-11  ありがとうが爆発する対談 3曲目
1999-08-12  ありがとうが爆発する対談 4曲目
1999-08-13  ありがとうが爆発する対談 5曲目
1999-08-16  ありがとうが爆発する対談 6曲目
1999-08-17  ありがとうが爆発する対談 7曲目
1999-08-18  ありがとうが爆発する対談 8曲目
1999-08-19  ありがとうが爆発する対談 9曲目
1999-08-20  ありがとうが爆発する対談 10曲目
1999-09-01  バンドメンバー
1999-09-03  秋田公演終了しました
1999-09-08  徳光アナウンサー、矢沢永吉について語る。その1
1999-09-09  徳光アナウンサー、矢沢永吉について語る。その2
1999-09-11  スタッフ・ポチ氏のツアー・リポート-1
1999-09-14  特設ステージの仕込みについて
1999-09-15  スタッフ・ポチ氏のツアー・リポート-2
1999-09-18  スタッフ・ポチ氏のツアー・リポート-3
1999-09-24  松本人志さんとdarlingのYAZAWAばなし! その1
1999-09-29  松本人志さんとdarlingのYAZAWAばなし! その2