糸井 |
でも、綾戸さんにだって
わがまま部分はあるんでしょ?
それをどこに出すの。 |
綾戸 |
彼氏(笑)。 |
糸井 |
ありゃ。 |
綾戸 |
あのね、でも、こういうおっきい所でやって
またこれで1万人入ったら、
また1万人がどっかに確実に来てくれるわけでしょう?
このbuild up(=蓄積する、積み上げる)と一緒に、
指さす人もできるわけね。
でも、人間って「あのー」って言ってくれる人と、
「あれやー」って言う人もいるわけね。
その言葉のぐあいのリズムでね、
自分の根性を曲げちゃいけないな、と。
これだけは思っておこうと。
とにかくこれはリスクというものだと。
1万人好きな人が増えれば、
嫌いな人も1000人いるんだと。
これはもう、しょうがないな、と。
だから、そのためにみなさんにご披露してるわけだから。
これはプロとかミュージシャンとか
芸能とか言うんじゃなく、
披露している仕事の宿命みたいなもので、
披露しているときは、こうこともあるんだと。
NHKのアナウンサーだってあるだろうし、
だから、ワタシじゃなく、
エンターテインメントじゃなく、
不得意なことをしてても
顔出しちゃうと言われるんだから、
それに関しては文句を言わずに
それより今は一人でも多く、
よみうりランドに来てくれる人のことを
考えてるの。 |
糸井 |
見えた? 夏のある日が。 |
綾戸 |
見えたっ。
もうねえ、シャイニングじゃないけど、
いまは誰もいない観客席で、
「ママ、綾戸だねー」とか言ってる
家族の顔が見えたわ(笑)。
ワタシ、すぐ映像がでるのよ(笑)。 |
糸井 |
オレもねえ、つられてなんか、
うわーって思ったよ。 |
綾戸 |
見えたっ。
なんか、いいことできそう。
なんかねえ、もう見えたのね。
半分貝が開いてて、
ビーナスの誕生みたいな会場でしょ。
だから「行くぞ」っていうムードがあるじゃない。
そうするとお客さんは
全部自分の周りに
ファイヤーを囲むような位置で座るでしょ。
これはいいぞー。 |
糸井 |
どんな衣装着るの? |
綾戸 |
もう考えてる。
やっぱり白と黒を基調にして、
少しカジュアルに。 |
糸井 |
おっ、少しカジュアルかー。
野外だしね。 |
綾戸 |
そうっ。
ちょっとヒラヒラに。
ちょっと薄めに。
でもズボンだけはいつものズボンにしよう、と。
もう考えてる。いろいろ見えた。 |
糸井 |
うん、楽しみだ! |
綾戸 |
楽しみにしててください。
ぜったいがんばりますんで。 |
|
糸井 |
3時間やるって噂があるけど、ほんとう? |
綾戸 |
えっ何?
聞いてないよ。 |
糸井 |
誰か、さっきそんなふうに言ってたよ。
「死ね」って(笑)。 |
綾戸 |
あのねえ、よくやるのよ、こういうこと、この会社は。
あのヤローとこのヤローとそのヤローがやるのよ。 |
糸井 |
上手に横たわって、また出てくるみたいな、
ダラダラしたコンサートもありだねえ。 |
綾戸 |
いいね、夏だもんね。
蚊取り線香たててね。 |
糸井 |
こういうこと言うと、
緊張を強いるようにとっちゃう人も
いるかもしれないけど、
そういうんじゃないもんねえ。 |
綾戸 |
うん。
ワクワクの緊張。
バリバリの緊張じゃない。
だってその場に強いもん。
家建てたって、家は形があるから。
なくなるときもあるし、
建てなくたって、誰かにもらえるときもあるし、
いろんなことがあるから、
まあまあの絵は描くけど、
やっぱり1番大事なのは
今何したいかね。
よく今何しなきゃいけないか考えて。 |
糸井 |
それ、ビデオ見たくなるねえ。
もう先の先の話だけど。
あの日ってどういう日だっけー、
みたいなビデオ見てみたいねえ。 |
綾戸 |
そういうのいいですねえ。 |
糸井 |
そういうの見たことないじゃないですか。
放送をみんなで撮って、
持ってますか? とか言ってるじゃない。
そろそろ、そういうのがあってもいいんじゃない? |
綾戸 |
撮りまくろうかなあ、毎回。
それいいかもしれない。 |
糸井 |
そろそろ見たくなったねえ。 |
綾戸 |
ちょっと化粧も上手くなったし(笑)。 |
糸井 |
(笑)綾戸さん、最近きれいってよく言われますねえ。 |
綾戸 |
いやあ〜〜やめて〜。 |
糸井 |
2枚目のアルバムくらいから、
だんだんと女の観客が「きれいー」とか言ってますねえ。 |
綾戸 |
そう。どうしよう。
もう、『Friends』のあたりは
キャッキャ言われたりしてね。 |
糸井 |
キャーキャーでしたよぉ。 |
綾戸 |
どうしたんでしょうかねえ。
顔は作られるんでしょうかねえ。 |
糸井 |
恋を知ったせいなのか、
観客という鏡が育てたのかもね。
それじゃ、7月を楽しみにしてます。
どうもありがとうございました。 |