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こんにちは。
イギリスへのカレー留学から帰国しました。
ロンドンを中心に
日本のカレーのルーツを探る旅を終えたいま、
僕の頭に残ったのは、日本のカレー文化のすばらしさです。
テクニックはもちろん、バラエティの豊かさは
誰もが驚くレベルです。
カツカレー、カレーうどん、カレーせんべい、
カレーパン‥‥。
どれも世界じゅう探しても見当たらない
日本独自のカレー料理です。
さらに驚くべきことは、
カツカレーをパン生地で包んだカツカレーパン!
なんてものまで存在するということです。
千葉県松戸市にあるパン屋
「ツォップ」の人気メニューです。
僕が「ツォップ」のカレーパンで感動したのは、
お客さんに常に揚げたてを提供できるような
調理場の仕組みを作っていたことでした。
カレーパンは揚げたてが一番うまい。
これは、多くのパン屋が認識していることではありますが、
それを自分の店で実行に移すことは大変困難です。
読者の皆さんの中でも揚げたてのカレーパンを
食べたことのある人は極めて少ないと思います。
衣がサクッとして、
フィリングのカレーがジュワ~ッとくる。
あの感覚は一度味わったらやめられません。
だから「ツォップ」の伊原シェフのことは
大尊敬しています。
もうひとつ、僕は揚げたてのカレーパンを食べられる
パン屋を知ってます。
三軒茶屋の「ブーランジュリ シマ」です。
ここでは、カウンターでカレーパンを注文すると、
1分30秒間、店で待つことになります。
これはパンを揚げている時間なんですね。
当然、料金を払った後に
手にするカレーパンは揚げたてです。
アツアツですぐに口に運ぶと
火傷してしまうんじゃないかというほど。
これは、島シェフが試行錯誤の上にたどり着いた
提供方法だそうです。
島さんがこのスタイルの提供に切り替えたとき、
Facebookを通じてお客さんにお知らせをしました。
「カレーパン、ご注文いただいてから
揚げるスタイルでの販売を始めました」。
この記事に真っ先に「いいね!」を押してくれたのは、
松戸「ツォップ」の伊原シェフだったそうです。
これは島シェフにとっての
“カレーの思い出”となったことでしょう。 |
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076
Setsu/女性/45歳 |
大学生の頃、ボート部に入っていて、
春から秋まで辺鄙な場所で
朝晩練習の合宿生活をしていました。
合宿所から大学に通い、
日曜の夜だけ下宿に帰るような毎日の
楽しみといったら食事くらいしかなく、
それも仲間が作る量重視の「めし」だったのですが、
土曜の夜は必ずカレーとフルーツヨーグルトの組合せ、
通称「カレーポンチ」。
ガタイのいい男子たちもカレーポンチの日は
何だか子供のように練習から上がるのがうれしそうでした。
大鍋で豚コマ、じゃがいも、ニンジン、玉ねぎ、ルーは
ジャワとバーモントを合わせた簡単なカレーだけど
おいしかったー。
今日は土曜だからカレーにします。 |
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部活の後に食べるカレーはたまらないでしょうね。
問答無用のハードな練習の後だと格別だと思います。
豚こまを使っているあたりが、
量重視のシンプルなカレーという印象をいっそう強めます。
火が通りやすいから、手早く大量に作れるんですよね。
僕は剣道部だったので、ハードな練習ではあったけれども
どちらかというと自分自身と向き合って
苦しみを乗り越えるタイプ。
みんなでガーッと練習して、
みんなでガツガツ食べるカレーのおいしさは、
未体験の世界です。
羨ましい。 |
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077
よう/女性/33歳 |
ご飯の場所を決めるときに、
いつまでも選択肢が出ないと
一時期この一言でお昼を決めてました。
「ほら、早く決めないとカレーだよ」。
カレーが大好きで、出かける用事、仕事があるときは、
その駅でカレーを食べるというのが、
私の決まりになっているほど。
職場周辺にもカレー屋が数件。
ランチ時など、カレー好きを知っている友人には
平気でいえますが、
さすがに後輩や先輩がいることもあるし、
毎回カレーになると申し訳ないので、
「私はカレーが食べたいけど、ほかのでいいよ」
と、一応他の方々にもお伺いを立てるのですが‥‥。
女子の場合は決まらないことが多いので、
そういう時間が好きでない私は
必ずこの一言で周りの決断を早めようとします。
だって、お昼時間は決まってるんだっ!
まぁ蕎麦屋、うどん屋だとカレーがあるので、
結局はカレーを食べます。 |
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なんという脅し文句!
カレーだよ、カレーにするぞ、それでいいんだな!?
なんだかすごみを感じますね。
ただカレー好きに対してこの文句は一切通じません。
僕なんて、
「迷ったときはカレーにしとくか」のスタンスです。
そば屋にはカレーがある。確かに‥‥。
でも、たまにそば屋やうどん屋で
カレーがない店もあるんです。
パン屋でカレーパンのない店もある。
そんなときはガックリ来てしまいます。 |
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078
ほっしー/女性/42才 |
カリー番長様、はじめまして。
カレーの思い出って、
手作りじゃなくてもいいのでしょうか。
物心ついたときから、我が家の冷蔵庫には
カレー粉の赤い小さな缶があったので、
家で作ってなかった訳ではないと思うのですが、
私の記憶に残っているのは、木村屋のカレーの缶詰です。
子供のころ、近所のスーパーで買ってくる
木村屋のカレーの缶詰が好きでした。
片手鍋に逆さにあけて、弱火で温めるのは私の担当。
焦がさないようにかきまぜながら、
油が溶けて、なめらかになって、
ぐつぐつしてきたら出来上がり。
チキンのかなり辛口だったはずですが、
小学校低学年の私でも
美味しいと感じました。
そのせいか、今でも辛口のカレーが大好きです。
カレー屋さんで選ぶ基準は、辛さ、ですね。 |
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木村屋のカレー缶って、まだ売ってるのかなぁ。
見たことがないので、
もう販売していないのかもしれませんね。
缶詰を鍋に移して温めて食べるというのは、
僕自身、ほとんど経験がないので、
どんな味わいなのかわかりませんが、
レトルトカレーを温めるようなものでしょうか。
既製品のカレーでもいつも同じ味わいのものを食べていると
思い出深い味になる。これがカレーのいいところです。
ただ、危険なのは、その商品が終売してしまうことですね。
その瞬間から思い出の味が消えてしまう。
だから、やっぱり手作りでカレーを作るという行為は
大事なんだと思います。
いつなんどきでも食べたい味を作ることができる
カレーのレシピ。
冷蔵庫にあった赤い缶のカレー粉はロングセラーで
今もあちこちで売ってますから、
ぜひ、カレー粉を使ったオリジナルカレーを
編み出してください。 |
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079
はと/女性/30代 |
今から5年くらい前の冬、
私は結婚してから初めて風邪を引きました。
熱を計ったら39度もあり、
起き上がることさえ出来ず会社を休んで
一日中寝込んでいました。
夫の仕事は忙しく、
いつも帰ってくるのが早くて10時なのですが
その日は7時頃に帰って来てくれて
ご飯を作ってくれました。
出来たよ、と呼ばれてなんとか起き上がったのですが
意識は朦朧としていました。
ふらふらしながら食卓に着くと、
そこには満面の笑みの夫と、カレーが待っていました。
一瞬、熱のせいで幻を見てるのかと思ったのですが
何回見てもカレーでした。
なんでカレー!?
とツッコミを入れる気力はありませんでした。
カレーは大好物なのですがその日は食べる気持ちになれず
結局白いご飯だけ少し食べ、薬を飲んですぐに寝ました。
せっかく作ったのに私が喜ばず、
あまり手をつけなかったため夫は不満そうでした。
治ってからメニューをカレーにした理由を聞いたところ、
私の好物だったからと言いました。
夫は小さい頃から体調が悪くても
食欲が落ちたことはなかったそうで、
体調が悪いときは大好物が食べられる
絶好の機会だったそうです。
それ以来、我が家でカレーは
体調の良いとき限定のメニューとなりました。 |
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そうかぁ、体調が悪い時に鉱物を食べられるというのは、
なかなか想像できないシチュエーションですね。
体調が悪い時は
好物もおいしく感じられないくらいつらいもんです。
たまにカレーはスパイスを使っていて
薬膳効果があり、体にいいとか、
風邪を引いた時には
カレー専門店に行くとか言う人がいますが、
これは、いつも正しいとは言えません。
カレーによってどれくらい体にいいかは違いますから
気を付けましょう。
僕は幼いころから鼻炎気味で、
耳鼻科に定期的に通っていたのですが、
いつも診察の後に病院の売店で買う鳥弁当が大好きでした。
病院に通うのが楽しみだったほど。
別に体調が悪いわけではないので、
好きなものを存分に食べられたんですね。
あのとき、なぜカレー弁当じゃなくて
鳥弁当だったのかは謎ですが。 |
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080
札幌/女性/39歳 |
カレーの思い出というか、カレーの悩みなんですが‥‥。
うちの父と兄は、三度のメシよりカレーが好き。
1回につき3杯はおかわりをし、
それを朝昼晩×3日間続けても平気な人たちです。
それを向かいの席で(しかもダブルで)
見せられて育った私は、
すっかりカレー嫌いになりました。
だって、ホントに馬鹿みたいに食べるんです。
見てる方が、具合が悪くなります。
でも、母のカレーは美味しいんです。
私だけ食べれないのは、なんかつまんないじゃないですか。
それに、カレーの日は、私のためだけに
別のメニューを作ってくれる母にも申し訳なくなって、
大人になってからは私も一緒にカレーを
食べるようになりました。
ところが、最近は新たな悩みが‥‥。
休日に、平野レミさんの
WADAカレーを作ってみたところ、
大変美味しくできたのですが、
父にとってカレーとはイコール母のカレーのこと。
「こんなのはカレーじゃなーい!」
とまでは言われませんでしたが、
明らかに期待外れの顔でした。
いつものカレーとは別のものだと思って食べてね。
って、言ったんだけどなぁ。
インド風とかタイ風とか、
いろいろ開拓してみたいんだけど‥‥。
無理だろうなぁ(笑)。
カレーは、一人分だけ作って
試してみるってわけにいかないし、
カレーは家族で食べるものだし‥‥。
これはカレーではありません。
と、嘘を吐いて出してみようかな(笑)。
今の私のカレーの悩みでした!。 |
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無理だろうなぁ‥‥。
習慣的に食べてきたカレーの味には、
どんなカレーを持ってしても
打ち勝つことはできないんじゃないかと思います。
もう、長年のすりこみのおいしさなんですよね。
しかも、作ってくれてる人が
家族だったりするから余計に思い入れが強い。
勝てないと思うなぁ。無理だろうなぁ。
でも、お母さんが作る代わりに
娘さんが作るわけですからね。
なんとか気に入ってもらえるといいですよね。
「今から出す料理はカレーじゃありません」。
作戦としては、これしかないかな、と思います。
でも、お父さんに実際に食べてもらって、
「これはカレーじゃないけど、なかなかうまいじゃないか」
なんて言われるのもちょっと悔しいですよね。
健闘を祈ります! |
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いろんな思い出をありがとうございました。 |
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最後にひとつ、お知らせがあります。
カレーパンの本を出版しました。
『うっとりカレーパン』
スペースシャワーネットワーク
¥1,300+税
では、また次回。
みなさんの“カレーの思い出”をお待ちしています!
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