最終回
最後の校正を終えて約10日後、
私の手元に出来立ての『豆炭とパソコン』の見本が
遂に届きました。
“ほぼ日”で『80代からのインターネット入門』の連載が
始まってから約1年半、
私が初めて糸井さんにメールを出してから
約1年の月日が流れていました。
早速、机の上に置いて眺めてみたり、
手に取って表紙カバーの少しざらざらっとした感触や
やわらかい本文ページをめくる時の指の感触を
確かめたりしました。
そして書かれている糸井さんとミーちゃんの言葉や
山田詩子さんのイラストを眺めたりしているうちに、
私はなんだか幸せな気分になってきました。
どうかこの本が「幸せな本」になれますように、
と願いながら作ってきたつもりが、
いつの間にか、この本に幸せにしてもらっている自分を
発見したのです。
そしてこの本は、きっと “幸せな本”になってほしい、
いや、幸せになるに違いない!と私は確信しました。
それからほどなくして、
『豆炭とパソコン』は少し緊張しながらも
すました面持ちで書店店頭に並ぶ日を迎えました。
そこから先は、本自身が行く旅を、
私たちはそっと見守るしかないわけですが、
大変ありがたいことに、
この本が私の想像以上に幸せな旅を続けている様子を
とても身近に感じることができました。
それは、旅先で出会ったたくさんの方々が、
「『豆炭とパソコン』に出会いました!」と
メールやお手紙を送ってくださったからです。
せっかくなので、最後にここで一通のメールを
勝手にご紹介させていただきます。
この“ひとり旅”コーナー宛に届いた初めてのメールです。
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>顔も知らない方への初メールです。
>
><豆炭とパソコン>を今日やっと見つけて
>(2段に平積みしてありました!)
>どーしても、なんだかメールしたくなりました。
>実は、パソコンを始めたのは今年の5月から。
>というわけで、
>そんなコーナーがあることも知りませんでした。
>マルイさんのおかげで覗くことができました。
>ありがとうございました!
>
>読んだ後、これは糸井さんからおかあさんへの
>「日本一あったかい幸せな母への手紙」
>なんじゃないかと思いました。
>なんとも心がホコホコして元気になりました。
>表紙も手にとったときの大きさもかわいー。
>とりあえず、これだけお伝えしたくて・・・
>
>お母さんのお年のまだまだ半分の私ですが、
>(ということは・・)
>こんな暮らしをしてる自分を想像して
>なんだか楽しみになりました。
>とり急ぎお礼まで。
>
>プチおばより
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“プチおば”さま、ありがとうございました。
メールをいただいた私も、
本当に心が暖かくなって元気が湧いてきました。
この他にも、本当に数え切れないほどたくさんの方々から、
元気の出るメールやお手紙をいただきました。
中には思いがけず「この本を音訳します」
と言ってくださる方もいて、
びっくりするやら感激するやら。
皆さん、本当にありがとうございました。
お便りいただいた全員の方に
お礼のお返事を差し上げることができなくて、
ごめんなさい。
それから、
『豆炭とパソコン』を読んでくださった全ての方、
そして途切れがちだった(ごめんなさい!)
この“ひとり旅”コーナーを読んでくださった全ての方、
本当にありがとうございました。
これからも、まだまだ『豆炭とパソコン』の本は、
ひとり旅を続けます。
どこかでお目にかかったら、ぜひお手に取って
「よっ!」と声をかけてやってください。
きっと本屋さんで皆さんと出会える日を
心待ちにしているはずですから・・・・。
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