いつもくちびるに、季節の風とラブソングを。
こんにちは、恋歌くちずさみ委員会です。

あまずっぱい企画は、とっても好評!
たーくさんの、おたよりがとどいています。
みなさんの、
たいせつなたいせつな思い出の「恋歌」、
どんどん紹介していきますね。
なのでどしどし、おたより(メール)くださーい!

大丈夫だよ!って、
彼に伝わるなら言いたいな。
(投稿者・節子)
 私がオバさんになっても
 森高千里

 1992年(平成4年)
 
My恋歌ポイント

 私がオバさんになっても
 本当に変わらない?
 とても心配だわ 
 あなたが 若い子が好きだから
昔つきあった彼との思い出の曲です。
彼とは高校の同級生でした。
卒業から12年ほど経って同級生たちとの飲み会に
初参加した時から付き合いが始まりました。
彼はバツイチでした。
当時、つきあっていた人は私もいたのですが、
つらい恋だったのもあって
しつこくくどかれたのもあり、
その同級の彼とつきあい始めました。
たった二か月の付き合いだったけど、
海も行ったし、旅行も行った。
オールスター戦の球場で、
大好きなイチローも(まだオリックス)
初めて見させられたな。
彼の好きな森高千里を車の中で何度も聞きました。
この曲も流行ってました。
彼には、元カノが忘れられない、という理由で、
突然ふられました。
もう私のほうはグチャグチャでごねまくったんですが、
どうにもならなかったです。
別れてから旅行バッグから森高のCDが出てきて
返せずじまいになってしまって・・。

その後数年経ち、
私の友達(私とは高校からで、彼とは中学・高校の同級生)
から結婚報告の電話があり、相手は彼でした。
他の友達からは
「お互いババア・ジジイになれば笑い話になるよ!」
と変な慰めもされましたが、
実際気持ちはその通りで、すぐには二人に会えず、
彼女とはもう友達でなくなるなあーと思ってました。

そのまた数年後、彼が癌だと聞きました。
抗癌治療代として
私もカンパに加わり奥さんに届けられました。
本人が聞かされて二か月後、私が聞いて一か月後、
幼い子供を残して亡くなりました。
治療がうまくいって少し元気になったら
お見舞いに行く予定でしたが、あまりに早かったです。
彼が亡くなる前夜、私は夢を見ました。
夢の中で、彼は葬式の写真の中、
私も奥さんも元カノらしき人も他の友達も
写真を見てすわってました。
訃報の連絡をもらって、
夢のことは怖くてすぐには皆に言えませんでした。
奥さんが言うには、
私に対して申し訳ない、と彼が時々言っていたそうです。
だから、謝りにきてくれたのかなあ?
そのことはもうわからないけど、
彼の死がきっかけで私と奥さんは又元通りに戻りました。
唯一、私に残してくれたいいことかな?
私達の友達期間の方があんたとよりも長いんだから!
大丈夫だよ!って伝わるなら言いたいな。

ことばがなかなか見つかりません。

バツイチの同級生と久々に会って、
恋をして、海とか旅行に行って、
オールスターでイチローを応援して、
カーステレオで森高千里を聴いて‥‥。
たった2カ月でもそれはいい思い出ですねー、
と読み進めていたら‥‥。

あの時代が放つ独特の明るさ、
この曲そのものの明るさ、
(節子)さんの投稿文の明るさ。
明るいものだらけで語られているから、
いっそう深く切なく感じました。

その彼が亡くなったのは、たぶん30代の半ば。
‥‥だから彼は、40代のオバさんになった
(節子)さん、奥さん、元カノさんのことを
見てはいない‥‥。
そのことに気づいたら、もう‥‥。
やっぱりことばがなかなか見つかりません。
でもひとつだけ言えそうなのは、
友情はいいなぁという、あたりまえのことです。

彼が遺してくれたのは、友情。
なくなったことはほんとうに残念ですけれど、
そのおきみやげ、最高のおくりものだと思いました。

自分が消えたあと、
自分が縁であつまった人たちが
仲良くしているっていうのは、
彼にとっても、
うれしいことなんじゃないかなと、
想像しました。

山下さんは彼がその場面を見ていない、
ってことにたいして涙していたけど、
ぼくは見ていると思う。思いたい。
もちろん、それは、
死者もまた生者のように感じ、
思うことができるといいな、
という仮定のなかの、
生きてる側のわがままな想像ですけれど。

でも、ぼくも
そういう場面を、見てみたいです。
いつかね。
でもそれにはせいいっぱい生きて
まっすぐに恋をしないとね。
まっすぐなせいで、傷つけちゃったひとがいても、
それでもまっすぐに。
彼はそれができていたんだと思うな‥‥。

人にはいろんな関わり方があって
どれがいちばんとも思いません。
浅いのも深いのもあるでしょうけど、
元カノさん、(節子)さん、奥さん、
それぞれの方々が
彼にとって尊い人たちだったのだと思います。
彼、すごい人だなぁ。
死後に奥さんとまた
なかよくさせちゃうなんてなぁ。

まっすぐな恋をしながら
前の彼女に対して
「申し訳ない」と時々おっしゃっていた、
このお人柄はほんとうに憎めないです。

人の歓びや願望は
複雑に絡み合っていて、
ぴたりと合ったりはずれたりしつつ
いろいろ助けながら生きているんだ、
それはもちろんこの世から
いなくなっちゃった人も入ってる、
ということを思いはじめた
40代のわたくしであります。
またあらためて、この投稿で、教わりました。
その関係を、まとめてなんと呼ぶのだろう。
やっぱり友情? 親も子も。

この歌の
「私がオバさんになったら あなたはオジさんよ」
というところが好きでした。
森高千里さんがいつまでたっても
オバさんにならないのもいいです。

テーマ曲って、大事だなぁと思うんです。

もしも、ぼくらがなんとなく
頭に鳴らしながら
読んでいるときのその曲が、
『私がオバさんになっても』じゃなかったら。
もっと生真面目な、湿った歌だったら。
悲しい調べだったら。
あるいは、脳天気すぎる歌だったら。

このコーナーに
「恋歌」というお約束がついていることを
ときどき、おもしろく思います。
読む人のこころをぎゅっとつかむ恋の投稿は、
たぶん、「恋歌」というしばりがなくても
人をひきつける力があって、
「恋歌」というお題がなくても
きっとこの投稿コンテンツは成立する。

でも、テーマ曲が大事なんですよね。
恋の思い出のバックに「恋歌」が鳴っていることは、
投稿者が冷静であることと、
読み手がある種の成熟度を持って臨むことを
やんわりとうながす。

だから、このコーナーに
泣きわめくような投稿があふれることはないし、
とんちんかんな非難が舞い込むこともない。

その意味では、この「恋歌」をいうしばりを
大きく「知性」と呼ぶことだってできるかもしれない。

たぶん、もっと湿った思い出として
劇的に語ろうと思えばいくらでも語れる話が、
『私がオバさんになっても』をテーマ曲に
きちんと距離感をもって語られています。
しかし、礼儀正しく距離が置かれていても、
その向こうにある悲しみはしっかりと感じられる。

別れたあとに出てくる相手のCD、
めったに行かない球場で観た
ちっともこっちを見ない野球選手の
ユニフォームの背番号、
不意に夢に出てくる昔の恋人。
共感できる具体的なことのとなりに
悲しい出来事が同じ扱いで描かれていて
読んでいて心が乱れました。

残された幼いお子さんのことも、頭から離れません。
その子は、ときどきママと仲よく話している
その「オバさん」のことを、どう思ってるでしょうね。

みなさんの恋の思い出に
「恋歌」を添えて送ってください。
それではまた次回。

2012-04-07-SAT

はじめて投稿するかたは、
「ゆるやかな投稿のルール」
をお読みください。

2011-04-26
『雨やどり』
 さだまさし
〜あまずっぱいイントロダクション〜
 どういういきさつで
 はじまったコンテンツなの?
 そもそものお話です。
2011-04-27
『微笑がえし』
 キャンディーズ
2011-04-28
『卒業写真』
 荒井由実
2011-04-29
『初恋』
 村下孝蔵
2011-04-30
『青春のリグレット』
 松任谷由実
2011-05-01
『ガラスの林檎』
 松田聖子
2011-05-02
『恋』
 松山千春
2011-05-03
『ぼくがつくった
 愛のうた』
 TULIP
2011-05-04
『Yes-No』
 オフコース
2011-05-05
『そして僕は
 途方に暮れる』

 大沢誉志幸
2011-05-06
『翳りゆく部屋』
 荒井由実
2011-05-07
『グッドバイから
 はじめよう』
 佐野元春
2011-05-08
『みかん色の恋』
 ずうとるび
2011-05-09
『めぐり逢い紡いで』
 布施明
2011-05-10
『私はピアノ』
 高田みづえ
2011-05-13
『卒業写真』
 荒井由実
2011-05-17
『木綿のハンカチーフ』
 太田裕美
2011-05-20
『サボテンの花』
 チューリップ
2011-05-24
『制服』
 松田聖子
2011-05-27
『君は天然色』
 大滝詠一
2011-05-31
『青春の坂道』
 岡田奈々
2011-06-03
『まちぶせ』
 石川ひとみ
2011-06-07
『YOUNG MAN』
 西城秀樹
2011-06-10
『Oh!クラウディア』
 サザン
 オールスターズ
2011-06-14
『安奈』
 甲斐バンド
2011-06-17
『春なのに』
 柏原芳恵
2011-06-21
『かもめはかもめ』
 研ナオコ
2011-06-24
『鳥の詩』
 杉田かおる
2011-06-28
『時のいたずら』
 松山千春
2011-07-01
『微笑日記』
 榊原郁恵
2011-07-05
『タイニー・メモリー』
 柏原芳恵
2011-07-09
『なごり雪』
 イルカ
2011-07-13
『みずいろの雨』
 八神純子
2011-07-16
『恋におちて』
 小林明子
2011-07-20
『夜明けのMEW』
 小泉今日子
2011-07-23
『夢で逢えたら』
 吉田美奈子
2011-07-27
『不思議なピーチパイ』
 竹内まりや

2011-07-30
『道化師のソネット』
 さだまさし
2011-08-03
『君が僕を知ってる』
 RCサクセション
2011-08-06
『恋するカレン』
 大瀧詠一
2011-08-10
『愛を止めないで』
 オフコース
2011-08-12【番外編】
『チッチのひみつ』
 文・イラスト/
 みつはしちかこ

2011-08-13
『あなたを・もっと・
 知りたくて』

 薬師丸ひろ子
2011-08-14
『M』
 PRINCESS PRINCESS
2011-08-15
『片想い』
 浜田省吾
2011-08-16
『あんたのバラード』
 世良公則&
 ツイスト
2011-08-17
『ドゥー・ユー・
 リメンバー・ミー』

 岡崎友紀
2011-08-18
『北の宿から』
 都はるみ
2011-08-19
『バカンスは
 いつも雨(レイン)』

 杉真理
2011-08-20
『気絶するほど悩ましい』
 Char

2011-08-21
『好きよキャプテン』
 ザ・リリーズ
2011-08-24
『セカンド・ラブ』
 中森明菜

2011-08-27
『また逢う日まで』
 尾崎紀世彦
2011-08-31
『主人公』
 さだまさし
2011-09-03
『時をかける少女』
 原田知世
2011-09-07
『ぼくの先生は
 フィーバー』

 原田潤
2011-09-10
『悲しみにさよなら』
 安全地帯
2011-09-14
『タッチ』
 岩崎良美
2011-09-17
『横恋慕』
 中島みゆき
2011-09-21
『Your Song』
 エルトン・ジョン
2011-09-24
『ふられ気分で
 ROCK'N'ROLL』

 TOM★CAT
2011-09-28
『メイン・テーマ』
 薬師丸ひろ子
2011-10-01
『Lovin' you』
 渡辺美里
2011-10-05
『虹とスニーカーの頃』
 チューリップ
2011-10-08
『YES MY LOVE』
 矢沢永吉
2011-10-12
『想い出がいっぱい』
 H2O
2011-10-15
『22才の別れ』
 風
2011-10-19
『You Are My
 Sunshine』

 JIMMIE DAVIS
2011-10-22
『ANNIVERSARY』
 松任谷由実
2011-10-26
『時間よ止まれ』
 矢沢永吉
2011-10-29
『捨てるほどの
 愛でいいから』

 中島みゆき
2011-11-02
『オリビアを
 聴きながら』

 杏里
2011-11-05
『幸せであるように』
 FLYING KIDS
2011-11-09
『愛はかげろう』
 雅夢
2011-11-12
『夏のお嬢さん』
 榊原郁恵
2011-11-16
『しゃぼん玉』
 長渕剛
2011-11-19
『雨あがりの夜空に』
 RCサクセション
2011-11-23
『カルア ミルク』
 岡村靖幸
2011-11-26
『桃花源』
 さだまさし
2011-11-30
『たそがれマイ・ラブ』
 大橋純子
2011-12-03
『元気を出して』
 竹内まりや
2011-12-07
『銀の指環』
 チューリップ
2011-12-10
『秋桜』
 山口百恵
2011-12-14
『時の流れに身をまかせ』
 テレサ・テン
2011-12-17
『いとしのエリー』
 サザン
 オールスターズ
2011-12-21
『もうひとつの土曜日』
 浜田省吾
2011-12-24
『スローバラード』
 RCサクセション
2011-12-28
『蒼夜曲 セレナ-デ』
 尾崎亜美
2011-12-29
『大きな玉ねぎの下で』
 爆風スランプ
2011-12-30
『I LOVE YOU』
 尾崎豊
2011-12-31
『氷雨』
 佳山明生
2012-01-01
『異邦人』
 久保田早紀
2012-01-02
『あの娘ぼくが
 ロングシュート決めたら
 どんな顔するだろう』

 岡村靖幸
2012-01-03
『君のひとみは
 10000ボルト』

 堀内孝雄
2012-01-04
『あした』
 中島みゆき
2012-01-05
『よそゆき顔で』
 松任谷由実
2012-01-06
『Remember Me』
 TUBE
2012-01-07
『外は白い雪の夜』
 吉田拓郎
2012-01-08
『胸の振子』
 薬師丸ひろ子
2012-01-09
『Part-Time Lover』
 Stevie Wonder
2012-01-11
『突然の贈りもの』
 大貫妙子
2012-01-14
『ずっと好きだった』
 斉藤和義
2012-01-18
『海を見ていた午後』
 荒井由実
2012-01-21
『駅』
 竹内まりや
2012-01-25
『LA・LA・LA
 LOVE SONG』
 久保田利伸
2012-01-28
『PIECE OF MY WISH』
 今井美樹
2012-02-01
『恋の季節』
 ピンキーとキラーズ
2012-02-04
『SOLITUDE』
 中森明菜
2012-02-08
『女はつらいよ』
 二階堂和美
2012-02-11
『楓』
 スピッツ
2012-02-14
『蝋人形の館』
 聖飢魔II
2012-02-15
『Believe』
 岡村孝子
2012-02-18
『大迷惑』
 ユニコーン
2012-02-22
『FUN x 4』
 大滝詠一
2012-02-25
『踊り子』
 村下孝蔵
2012-02-29
『魔法の鏡』
 荒井由実
2012-03-03
『Alone』
 岡本真夜
2012-03-07
『大きな玉ねぎの下で』
 爆風スランプ
2012-03-10
『さよなら夏の日』
 山下達郎
2012-03-14
『ミュージシャン』
 中島みゆき
2012-03-17
『接吻 –kiss–』
 ORIGINAL LOVE
2012-03-21
『スローバラード』
 RCサクセション
2012-03-24
『スローなブギに
 してくれ』

 南佳孝
2012-03-28
『かもめはかもめ』
 研ナオコ
2012-03-31
『メトロポリスの片隅で』
 松任谷由実
2012-04-04
『想い出にかわるまで』
 スターダストレビュー
 
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