ほぼ日の学校長だよりNo.77
「ダーウィンの贈りもの Ⅰ」と「生活のたのしみ展」
4月5日から次の講座「ダーウィンの贈りもの Ⅰ」の受講生募集が始まっています。皆さんの応募理由を読むのが楽しみです。
・ダーウィンの『種の起源』をきちんと読まずにきたことが気になっている。
・これから先の人生について考えると、そもそも人間ってどういう存在なのかが知りたくなった。
・時代とともに人が幸せになるとは限らない。「進化」とは何なのか、本質を考えてみたくなった。
・知るほどにもっと知りたくなる生きものや進化の不思議、神秘について学びたい。
・講師陣が凄い! 進化について幅広く包括的に学ぶことができる絶好の機会だと思った。
など、書き方はさまざまですが、何か共通したトーンが感じられます。
一昨年、『サピエンス全史』(ユヴァル・ノア・ハラリ、河出書房新社)がベストセラーになりました。長い人類の歴史を一望しながら、人間や文明について改めて考えたい、という欲求が底流としてあるように感じられます。
人類という直立二足歩行の生きものが誕生したのが、およそ800万年前。ホモ・サピエンス、つまり現生人類がアフリカで生まれたのが、およそ30万年前と言われます。
ヒトは、その進化史のほとんど、99%を狩猟採集民として暮らしてきました。農耕と牧畜が始まるのが約1万年前で、ヨーロッパで産業革命が起こるのが250年ほど前。
『サピエンス異変』(ヴァイバー・クリガン=リード、飛鳥新社)は、人類史の流れを午前9時に始まり、午後5時に終わる就業時間になぞらえて語ります。農耕が始まるのは、なんと午後4時58分になってから。産業革命は4時59分58秒です!
それにもかかわらず、人類はいまやとどまることを知らない科学の発展によって、私たち自身にも、地球の生態系にも、おびただしい変化をもたらしています。その結果、「歴史が進むにつれて、私たちはより幸福になったのか?」「何のために生きているのか?」「この先、何を望むのだろうか?」といった根本的な問いに向き合わざるを得なくなっています。
日々のニュースに、ゲノム編集ベビー、ゲノム医療、ゲノム食品といった話題が取り上げられます。進化のメカニズムにみずから手を加えようという新たな動きが始まっています。
一方、「私たち人類の環境破壊が引き金になって、いまや6度目の大量絶滅に直面している。恐るべきスピードで、多くの生物種が絶滅しつつある。人類ははたして生き延びられるのか?」という警鐘も乱打されています(エリザベス・コルバート『6度目の大絶滅』、NHK出版)。
まさにポール・ゴーギャンの絵のタイトルのように、「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」が、広い関心を集めていることがよくわかります。
「ダーウィンの贈りもの Ⅰ」の募集は、4月23日(火)午前11時までです。この機会に是非ふるってご応募ください。
さて、昨日(4月17日)より「第4回 生活のたのしみ展」が東京・丸の内で始まりました(21日までの5日間)。今回、「ほぼ日の学校」恒例の「河野書店」は出店しませんが、きょう18日14時30分から15時半頃まで、約1時間、三菱一号館美術館の高橋明也館長と私のミニトークセッションが行なわれます。すでに参加者応募は締め切っていますが、トークの様子は近くの大型ビジョンに映し出される予定です。通りすがりにご覧いただければ幸いです。
また、翌日から私は「コケーシカ鎌倉」のお店に詰めることになりました。日本の伝統こけしとロシアのマトリョーシカが一緒に並んだかわいらしい空間です。どうぞお立ち寄りください。「ダーウィン!」とひと声かけてくださった方には、ささやかなプレゼントをご用意してお待ちしています(数に限りがあります。なくなったら、ご容赦ください)。
学校スタッフは上記のトークイベントが行われる「アースボールカフェ」(丸ビルMarunouchi Cafe×WIRED CAFE)におります。ダーウィン講座のこと、オンライン・クラスのことなど、直接お尋ねになりたい方は遠慮なくお声がけください。
皆さんのご来場を心よりお待ちしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
以上、今回は講座「ダーウィンの贈りもの Ⅰ」と「生活のたのしみ展」のご案内でした。
2019年4月18日
ほぼ日の学校長
Hayano歌舞伎ゼミのオンライン・クラス。桂吉坊さんによる「落語で歌舞伎入門」が公開されました。「芝居噺」の落語で「忠臣蔵」の魅力を凝縮した圧倒の2時間です!
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