名作。
しずかに、深く、しびれました。
15才からの記憶を淡々と、
すこし離れた位置から見るように語る（窓辺の猫）さん。
制度としての結婚を否定する彼は、貫いています。
すばらしいかどうかは別として、貫いている。
その彼の生き方とか、
情に振り回されすぎないふたりの様子とか、
そういうあれこれが
「カフェではなく喫茶店」にしっくりと馴染んで。
一枚の写真を見せてもらっているような気持ちで
この投稿を読みました。
つぎに会ったときは、そうですね、
「ずっと好きだよ」が言えそうだと思いました。
制度も、性別も越えて、人として好きだよと。
ああ‥‥ほんとうに名作。

ところで、
ガロのこの曲がヒットしたとき、ぼくは10才。
背伸びをしてドーナツ盤を買ったことを覚えてます。
テントウムシのかたちをしたプレーヤーで聴きました。
で、さっき久しぶりに聴き直してみたのですが‥‥
かっこいい、かっこいいよ！
フォークというか、ソフトロック。
こんなにかっこよかったんだー。
骨太で、ハーモニーがきれいで。

これで彼があっさり結婚しちゃったりしてたら
「なんなんだー」ってなりそうだけど、
彼は彼なりに、他人が理解しようとしまいと、
結婚に対する考えをまげなかった。
だからこそいまの（窓辺の猫）さんの気持ちも、
こんなふうに、続いているのかもしれないですね。
そして、やっぱり「偶然」は恋の味方。
そしてちょっと残酷。
恋するものたちに、恋愛の神様って、
気まぐれみたいに、確信犯的に、
いろんな偶然を仕掛けてくるなあ。

ぼくにとって「学生街の喫茶店」は
耳なじみはあるけれど、
すごく上のお兄さんの世代が聞いていた曲、
というような印象です。
だからガロというグループの記憶はほとんどないのに
「学生街の喫茶店」はよく知ってます。
ちょっと年代がずれるけれど
「いちご白書をもう一度」と同じような感じ。
調べてみたらレコーディングでは
なんとベースは細野晴臣さんが弾いているそうです。
そして作曲者は「すぎやまこういち」さん！

「相変わらず好きな自分に驚きつつ」
という一行にどきりとし、
一見淡々と連なる事実の美しさに
息をのみました。

こんなことって‥‥。すごい。
いや、でも‥‥もしかしたら、
人と人ってあんがい
すれちがっているのかもしれませんね。
それを逃さず発見してしまう
お互いの目の力のすごさを讃えるべきでありましょう。

好きだから目に入ってくる、
運命は自らが導きよせていく。
嗚呼、そうにちがいないのです。