いただいたメールの追記には、
「２週間もしないうちに
　私は二十代になります」
と書いてありました。
十代のうちに、十代の思い出を、
わずかでも封じ込めようとした、
日記のような、タイムカプセルのような
瑞々しい投稿を、ありがとうございました。

「もう、ずっとこのままでもいい」という
成就した若い時代の恋愛特有の切なさが、
微笑ましいような、痛々しいような。

思ったのは、
「大学１年生」という
独特の季節についてのことです。

大学に入り、実家を出ると、
驚くほどあっさりと
ある種の「自由」が手に入ります。

たとえば、あれほど、
ふたりきりになるのに苦労を重ねていたのに、
街で手をつなぐのも、部屋でずっと過ごすのも、
急に「できてしまう」。
だからこそ、自分に準備も経験も覚悟もなくて、
ものすごく困ってしまったりもする。

いただいたメールのなかでは
まだ「ふたりきりの日々」ははじまっていないのですが、
読んでいるうちに、
十代と二十代の狭間に短く訪れる
「はじめての自由」のことを
鮮やかに思い出しました。

この歌、横浜の観光名所が
いくつか出てくるんですよね。
「マリンルージュってこれだったんだ」と
私も山下公園ではじめて知りました。

歌詞は、
「連れて帰れない状況なのに
　好きになっちゃった恋人」
のことを歌っています。
カラオケでこの曲をまっさきに歌った彼は
その意識がうっすらあったのかなぁ。
心に別の人がいて、
目の前の人を大事に思えば思うほど、
二度と戻れない境界を超えることはできない、と。

そして、そうですねー、
子どもから大人への移行は、
びっくりするほど短いと私も思います。
「男女交際禁止」「とにかく勉強しなさい」から
「結婚急かし」がはじまるまでは
数年しかないんですよ。
どうにかならないかなぁ。

そんななかで出会う男女は忙しい。
そういうめくるめく季節の到来に
サザンオールスターズはなんだかぴったりでした。
いまの20代も同じ感じなのかなぁ？？

少女マンガのせつない恋物語の
ページをめくるように、
（ぺー）さんの投稿、読ませていただきました。
ほんとうにドキドキしちゃった。
（ぺー）さん、ほんとうに彼のこと、
ずっと見てるなあって。

スプーンのくだりで、
その夜からずっと
ふたりの心も重なることを
祈るようにして読んだけれど、
‥‥そうは、ならなかった。

お金がなくても、
時間がたっぷり、ほんとうにたっぷりあった
十代最後のころを思い出します。
いっしょに歩くの、ほんとうに楽しかったな。
どこまでも歩いて行けそうな気がしてました。
よのなかはもっとシンプルなものに思えてた。

（ぺー）さんにはきっと
すてきな二十代が待っていると思います！
しっかりね。